忙しい日々が続いて「疲れたな…」と感じたことがある人は多いと思います。
身体の疲れは十分な休養で回復することができますが、注意したいのは心の疲れ。
心の疲れは外から分かりにくく、つい周りの人も自分自身も見逃してしまいがちですが、何もせずに放置していると回復させるまでの期間が長くなってしまいます。
やらなければならないことがあるのに、やる気がでない
思い切り笑うことが少なくなった
最近、感情の起伏がよくわからない
もし、このような感覚に心当たりがあるなら、今回の記事を参考に早めに対処しましょう。
「もう疲れた」から「もう疲れ切ってしまった」に進ませないヒントをお伝えします。
Contents
「もう疲れた」と感じやすいシチュエーション
人生に疲れてしまったと感じる理由は、人によってさまざまです。
悩みの種類は異なっても、心が疲れてしまうシチュエーションには共通項がたくさんあることが多いです。
ここでは「もう疲れた」と感じやすいシチュエーション・心の状態についてみていきましょう。
(1)未来に希望が見えないとき
たとえ肉体的・精神的に疲れを感じるようなことがあっても「この先の未来は明るい!」と確信できている場合、あまり疲れを感じずに過ごしやすいです。
「疲れた」というよりも「達成感がある!」という認識になりやすいのですね。
ですが、未来に希望が見えないとき、今の状態がこの先ずっと続くことに対して絶望して「もう疲れた…」という心境になりやすいです。
この場合、精神的な疲れの原因を取り除くことも大切ですが『今の生活を続けた先に、どんな未来を迎えたいのか?』という視点を持つことがオススメです。
(2)ゴールがわからないとき
人生のゴールというと大きすぎるかもしれませんが、一区切りできるゴール(目標)を持つことは大切です。
フルマラソン完全なゴールまでの途中途中に休憩ポイントがあるように、人生という長いマラソンでも一区切りのゴールは必要です。
一体いつまで頑張り続ければいいのか
この頑張りをずっと継続しないといけないのか
いつになったら休憩できるのか
こんな考えが頭をよぎったら、あなたの心は「休憩ポイントになるゴール」を求めているのかもしれません。
(3)前に進んでいる実感がないとき
自分自身の成長やキャリアアップ、経済的な豊かさの変化など「目に見えるわかりやすい指標」で変化があると、仮に心身ともに疲れていても重大なメンタルの問題は起きにくいかと思います。
ですが、心身ともに疲れが溜まっている状態で、かつ「わかりやすく実感できる変化」がないと、さらに疲れが増してしまうことが多いです。
頑張っても前に進めないと感じているならば、今は、周りの景色をゆっくり味わう時期なのかもしれません。
「もう疲れた」と悩みやすいジャンルは?
人間の悩みは大きく分けて3つ「経済(お金)・健康・人間関係(夫婦関係なども含む)」と言われています(人間の3大悩み)。
中でも特に「もう疲れた…」という心の状態になりやすいジャンルについて見ていきましょう。
(1)仕事、職場
「もう疲れた」と感じやすいジャンルの最上位は仕事・職場なのではないでしょうか。
社員のメンタルヘルスに注力する企業も増えてきてはいますが、仕事が原因で精神的にすり減ってしまう人は多いかと思います。
望まない業務内容や、上司・同僚とのトラブル、納得しずらい評価や会社の規則など、お勤めでも自営業でも「もう疲れた」と感じやすい条件がたくさんありますよね。
仕事はどうしても、上司や会社、取引先など自分以外に選択権があることも多いです。
「振り回されている」と感じたならば、それらの対象との関わり方を考え直してみるのも1つの手です。
(2)人間関係全般のトラブル
家族・恋人・友達・親戚・近所・職場…
社会生活を送る以上、人間関係から完全に解放されることはありません。
人間関係のトラブルの多くは、相手との距離が近すぎることが原因になることが多いです。
特に恋愛や結婚では、無意識に相手と精神的にも物理的な距離が近くなり過ぎてしまうことも多いですよね。
好きな人が相手の場合「もう疲れた」と感じることに罪悪感を覚えることも多いですが、距離感を調整することもオススメです。
距離感の調整なんて考えたこともなかった…
好きな人同士であっても距離が近すぎてしまう場合、お互いに無意識で「相手の感情のゴミ箱」のようになってしまいがち。
人間関係のトラブルの種類はさまざまですが「もう疲れた…」と感じたなら、無意識で相手の感情のゴミ箱になっていないかチェックしてみましょう。
(3)金銭的なトラブル
金銭的なトラブルも「もう疲れた…」と精神的なダメージを負わせる大きな原因です。
(1)仕事、職場、(2)人間関係のトラブルとも密接に関わることが多いですよね。
- 仕事での評価が得られないために、金銭的にも苦しくなっている。
- 人間関係のトラブルに巻き込まれて、予定外の出費が続いてしまっている。
- もしくは家庭の問題で十分な仕事ができず、収入をアップさせることが難しい
など。
- 「働いても働いても暮らしが楽になる見込みが立たない」
- 「自分が病気などで動けなくなったらどうするのだろう」
このように生存することへの不安から、心がすり減ってしまう人も多いです。
そんなときは、お金の流れを改善するために「収入・支出」どちらに問題があるのかを整理してみましょう。
すぐに心が回復するのは難しくても「見通しが立たない不安」でさらに疲れを溜めることは避けられます。
(4)失恋、片思いなどの恋愛関係、婚活
失恋やなかなか実らない片思い、うまくいかない恋愛、婚活は「もう疲れた…」と感じやすい原因になります。
私たち自己対話の学校(脳トレカレッジ)が運営する自己対話の学校(脳トレカレッジ)のコンサルには、恋愛のご相談が多く寄せられます。
「婚活疲れ」で疲弊した女性もたくさんご相談にいらっしゃり、中には、なかなか良い人に出会えないと疲れたお顔でお話しされるかたもいらっしゃいます。
幸せで楽しかったはずの恋愛が段々と苦痛になってしまう、こんな苦しみを抱えていらっしゃる方も多いです。
(5)夫婦関係、結婚生活
夫婦関係や結婚生活でも「もう疲れた…」と疲弊した感情が生まれやすいです。
現在の日本の法律上、結婚相手は異性であることが多いと思いますが、
異性であるほど
男性心理がわからない…
女性はどうしてこんなに考え方が違うのだろう…
と、気持ちを汲み取る難しさを感じ、すれ違いから夫婦喧嘩が絶えないという方も多くいらっしゃいます。
お付き合いをしていた時とは環境も変わり、家族になった今、関係性は変わっていくもの。
つい相手に期待をしてしまったり、いつも上手くやろうとしてしまうこともあるかと思いますが、
- いつも良い時ばかりでなくていい
- 完璧な関係を目指さなくていい
と肩の力を抜くだけでも、生きづらい気持ちが和らぐのではないでしょうか。
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(6)家族、親子関係、介護
家族、親子関係や介護も「もう疲れた」と感じやすい原因になります。
基本的には家族は自分の味方になりやすい関係性ではありますが、「相手とのベストな距離感」は人によって違います。
好き、嫌いは関係なく、少し距離感の離れた関係性を保った方がうまくいくということは往々にしてあります。
自己対話の学校(脳トレカレッジ)のコンサルにもこういったご相談は多く寄せられますが、
でも、私がやらなかったら誰がやるの?
とついひとりで抱え込みやすい問題でもあるのですよね。
(7)育児、子育て
育児や子育てを頑張っているときにも「もう疲れた」と感じやすいでしょう。
家事や育児の大変なところは「終わりや休みがないこと」。
- 本当は思ってはいけないのに、休みたい
- 1人になりたい、疲れた
- 可愛いはずの子供がうるさく感じてしまう
まずはこんなふうに感じてもいい、とご自身にOKをだしてあげてみてはいかがでしょうか。
休むのも大事なお仕事です。
「もう疲れた」と感じやすい人の特徴
もしあなたが次のような特徴を持っているとしたら、他の人より心が疲れやすいかもしれません。
思い当たる項目がある場合は、よりご自身の心の疲れに対してケアしてあげてください。
(1)協調性が高く、優しい人
他者との調和を重んじる気質が強い場合、自分の意志よりも相手や集団の意志を尊重しがちです。
許容できる範囲内であれば良いのですが、優しさゆえに少しづつ疲れを溜めていることが多いかもしれません。
なんだか最近、心が疲れている、寝ても疲れが取れないと感じる場合は、無理をしていないか問いかけてみましょう。
(2)真面目で正義感が強い人
自分の中に譲れない美学や志がある人は、それらに反することをせざるおえない場合ストレスが大きくなります。
さまざまな理由で自分の美学を曲げ続けていると「もう疲れた」と心が悲鳴をあげてしまいます。
(3)貢献欲の高い人
誰かに対して貢献したい、という気持ちが強い人も「もう疲れた」と感じやすいです。
喜びから誰かに対して貢献できているうちは、疲れよりも嬉しさや満足感が高い状態でいることができます。
ですが、自分ばかりが相手に貢献している状態では、心身のバランスを崩してしまいます。
(4)良い人であろうと気を遣いすぎてしまう人
「(1)協調性が高く、優しい人」とも関連しますが、いい人であろうと気を遣いすぎてしまう人も「もう疲れた」と感じやすいです。
相手のためを想って気を遣うのは素晴らしいことですが、
気を遣ったり良い人であろうとするのが癖づいている方は、無意識に優先順位が
他人>自分
になっていることが多いです。
- なぜ良い人でありたいのか?
- 自分を我慢させてまで良い人でありたいのか?
一度考え直してみても良いのではないでしょうか。
(5)精神的な休日をとれていない人
身体は休めていても、「心が休めていない」状態が続くと「もう疲れた」と無気力になりやすいです。
- 平日に働き疲れて、土日のお休みはぐったりしてしまう…
- でも頭では「あれをやらなきゃ」「これをやらなきゃ」とタスクが駆け巡っている…
- できない自分を責めて自己嫌悪…
という経験はありませんか?
こんなとき、身体が休めていても、実は頭や心は大忙しです。
精神的に休めていない状態がずっと働いている状態が続くと「人生に疲れた」と言う人が多く見受けられます。
人生の疲れは、心が休んでほしいと言っているサインになります。
まずは5分、10分、30分…と取れる範囲内で少し気を緩める時間を作ってみてはいかがでしょうか。
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「もう疲れた…」と人生に疲れ切る前に試したいこと
「もう疲れた」という心からのメッセージを受け取り、対処することができれば心は回復することができます。
ただ、疲れを自覚していながらも放置が続いてしまうと「疲れ切ってしまう」ことも。
ここからは人生に疲れ切る前にできるケアをご紹介します。
(1)一人きりになれる時間をとってみる
心が疲れてしまった場合、自己対話の時間を取ることがオススメです。
自分は今、何を感じているのか?
本当はどうしたいのか?
何が原因で疲れてしまっているのか?
ゆっくり問いかけるために、一人きりになれる時間を設けてみてください。
瞑想やマインドフルネスにチャレンジしてみるのも効果的ですし、一人サウナや一人で映画など、誰からも話しかけられない状況に身を置いてみてくださいね。
(2)信頼できる人にただ話を聞いてもらう
信頼できる人にじっくり話を聞いてもらうことも効果的です。
自分の気持ちを誰かに話ことで、一人きりの時間では得られなかった心の平穏や気づきがあることも多いです。
信頼できる家族や友達はもちろん、カウンセラーや専門家に頼ることもオススメです。
自分の意見を挟まずに、傾聴に徹してくれる人が良いでしょう。
(3)部屋の片付けに精を出してみる
黙々と部屋の片付けをしながら、身体を動かしてみるのもオススメです。
何も考えずに片付けをしても良いですし、手を動かしながら自己対話することもできます。
また、目の前の物理的な片付けを行うことで、精神的な片付けもできるかもしれません。
(4)ポジティブに現実逃避してみる
「現実逃避」と聞くと、ネガティブな印象を持つ人が多いかもしれませんね。
ですが、あえてポジティブな意図で現実逃避をすることは、心の疲れをとる上で効果的です。
「もう疲れた」と感じているということは、つまり思考力が落ちているともいえます。
思考力が落ちると、視野が狭くなり、視点が固定化され、視座が下がってしまいます。
その状態では疲れを解消するアイデアも思いつくことができません。
そんなときは、自分の目の前に広がる景色を一新すると、感覚がリフレッシュされることが多いです。
目の前の現実に縛られることなく、物理的にも精神的にもポジティブな意図で現実逃避することはおすすめです。
(5)占いを利用してみる
普段から占いを利用する人も、しない人も「もう疲れた」と感じた際にはオススメです。
もともと占いが好きな人も多いかと思います。
占いにはさまざまな種類があり、恋占いや仕事占い、部屋の間取りに関する占いや姓名判断など個性豊かです。
科学的な根拠はなくても、昔から使われてきた学問ですから、新たな視点が得られるかも知れません。
(6)水に浸かってみる
水に浸かったり浮いたりすることで、リラックス効果が得られることは広く知られています。
私たちは胎内で羊水に浮いて過ごしていた時期もありますから、昔の記憶が呼び起こされるのかも知れませんね。
水に浮くことで副交感神経を高める、専用のフロートスパもありますが、自宅のお風呂でゆっくり浸かったり、お気に入りの入浴剤を入れてみるだけでもリラックス効果が高まります。
時間が取れるようであれば、日帰りで温泉やスパに出かけてみるのも効果的です。
(7)森林浴など、自然に触れてみる
自然豊かな環境に身を置くことでのリラックス効果も有名でしょう。
「フィトンチッド」と呼ばれる植物から放出される成分は、人の自律神経を安定させたり、脳内のα波を発生させるという研究結果も出ています。
心の疲れを癒すだけでなく、集中力を高めたり、思考力を高めたりもできるでしょう。
都会に住んでいて自然に触れるのが難しい場合、観葉植物を育てるだけでも効果はあります。
なお、このメディアを運営している自己対話の学校(脳トレカレッジ)では、自社が開催する講座の会場として、ふんだんに植物を取り入れた専用スペースを使っています。
(8)没頭できることをする時間をとってみる
近年、マインドフルネスや瞑想の重要性が広く知られるようになってきましたが、慣れないうちはなかなか瞑想するのも難しいかと思います。
そんな時には、瞑想せずとも「瞑想状態」になれることに取り組んでみるのがおすすめです。
瞑想状態=雑念がない状態とも言えるため、何か1つのことに没頭している時間は瞑想状態になるとも言えます。
読書でも、映画鑑賞でも、ペットと遊ぶでも、無心になれるルーティーン作業を行うでも「そのことしか考えていない時間」を意識的にとってみてください。
(9)思いっきり寝てみる
思い切って寝てみることは、とてもシンプルですが、効果は絶大です。
睡眠には体の疲労回復はもちろん、免疫力の向上や成長ホルモンの分泌など、私たちが健康に生きていく上で欠かせない要素ばかりです。
予定のない日に思いっきり寝てみたり、普段の生活でも睡眠グッズにこだわってみたり、睡眠の質を上げるように心がけてみるのもオススメです。
(10)疲れの原因を取り除いた未来を想像してみる
次に「もう疲れた…」と感じる根本原因を取り除く方法です。
(1)~(9)までは、どちらかというと「疲れた状態から→0に戻す」ことをメインにした対応方法でした。
ですが、私たちの人生は続くので、可能であるなら「もう疲れた…」と感じてしまう根本原因を取り除きたいところ。
心身の疲れの原因となるものはさまざまで、人によっては仕事が休めないことで疲れることもあれば、恋愛や結婚生活のストレス、友達との諍い、金銭的な理由など「取り除きたくても取り除けない」ものが原因のことも多いかと思います。
実際に疲れの原因を取り除くかどうかは別にして
もし、この疲れの原因を取り除くとしたら、どのような未来が待っているだろうか?
と想像するだけでも効果的です。
ストレスの原因が今後も続く前提で考えていると「ストレスを完全に取り除くことができる」未来が、つい盲点になってしまいます。
今すでに抱えている疲れは対処しつつ、「もう疲れた…」という心境にそもそもならない未来の可能性も考えてみてください。
(11)なんのために頑張っているのかを考えてみる
「もう疲れた」と感じるまで頑張っていた方は、「何のために極限まで頑張り続けてきたのか?」を一度考えてみることをおすすめします。
- 今まで頑張ってきたキャリアを守るため
- 人に嫌われないため
- 上司に嫌な顔をされないため
- 誰かの期待に応えるため
- 家族を守るため
- 美学を守るため
人それぞれいろんな理由があると思います。
とても大切なあなたの信念や、意外な答えが出てくるかもしれません。
ここで改めて、「何のために頑張ってきたのか?」を振り返ってみましょう。
(12)どうしても譲れないもの・大切にしたいものを考えてみる
「(11)なんのために頑張っていたのかを考えてみる」とあわせて行なっていただくと良いのが、どうしても譲れないもの・大切にしたいものを考えてみることです。
何のために頑張ってきたのか?を考えたときに
そこにどうしても譲れないもの、絶対に大切にしたいもの、守りたいものが入っているのであれば、
- どうやってそれを大切にするのか?
- 今とは違う形でそれを守ることはできないか?
と考えると突破口が見えてくるかもしれません。
反対に、
自分の大切な人生の時間を費やしてまで頑張るべきなのか?
と疑問が湧くものが出てきた場合は改めて
- あなたの有限な人生の時間やエネルギーをどう使いたいのか?
- あなたが人生で大切にしたいものは何か?
この機会に考えてみてはいかがでしょうか。
あなたが心から幸せを感じるための答えは、あなたの心の奥にすでにあるはずです。
心が出すSOS「もう疲れた」を歓迎しよう
「もう疲れた」「やる気が出ない」「何もしたくない」このような感情は通常、あまり歓迎されないと思います。
そのように感じてしまう自分を責めがちですが、心からのSOSをキャッチすることができた自分を認めてあげてください。
体調不良と同じように、心も早めにケアすることができれば、回復までもスムーズです。
疲れ切って動けなくなる前に、心が出すSOSを歓迎して対応していきましょう。
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