あなたは「人を信用できない…」とで悩んではいませんか?
私たちは誰でも、他人と関係を持ちながら社会生活を営んでいます。
もちろん人とほぼ関わらない人生を送ることもできますし、人を信用できないのは悪いことでもありません。
ですが、きっとこの記事にたどり着いたあなたは、人を信用できないことに悩んでいて、その状況をなんとか克服したいと考えているのではないでしょうか?
※あまりにも過度に人を信用できない場合、病気の可能性も0ではありません。妄想性パーソナリティ障害など治療が必要な場合は専門家に頼ってくださいね。
Contents
「人を信用できない…」の裏にある「人を信頼したい」渇望
この記事を書いている私も、実は過去に人を信用できないことで深く悩んだ1人です。
ハッキリと「人を信用できない…」と自覚したのは中学校の頃。
その頃から社会人になって心理の勉強するまで、15年近く人を信用することができませんでした。
その間、人間関係をうまく構築することができず、常に孤独感に悩んでいました。
もともとあまり人に興味がないタイプの方は、人を信用する、しない、があまり大ごとにならないかもしれませんね。
ですが、私の場合は「人と関わりたい」「もっと友人とコミュニケーションと取りたい」そう渇望していたため、大きな悩みとなっていました。
「人と関わりたい…」「人を信用できない…」自分の中に相反する2つの感情が存在して、それらの感情の処理がうまくできない状態だったのですね。
「信じる」について芦田愛菜の名言
ここで1つ素敵なエピソードをご紹介させてください。
女優の芦田愛菜さんが、ある舞台挨拶で「信じるとは何か?」と聞かれた際の回答がとても深いものでした。
もしかしたら解決の糸口にになるかもしれません。
『その人のことを信じようと思います』っていう言葉ってけっこう使うと思うんですけど、『それがどういう意味なんだろう』って考えたときに、その人自身を信じているのではなくて、『自分が理想とする、その人の人物像みたいなものに期待してしまっていることなのかな』と感じて」
「だからこそ人は『裏切られた』とか、『期待していたのに』とか言うけれど、別にそれは、『その人が裏切った』とかいうわけではなくて、『その人の見えなかった部分が見えただけ』であって、その見えなかった部分が見えたときに『それもその人なんだ』と受け止められる、『揺るがない自分がいる』というのが『信じられることなのかな』って思ったんですけど」
人を信じられずに苦しくなった時は、他人の考えや意見を取り入れてみるのもおすすめです。
人を信用できない人の特徴(行動編)
それでは、人を信用できない人の特徴をご紹介します。
もしあなた自身が当てはまるようであれば、もしかしたら心の奥では人を信用できていない状態なのかもしれません。
また、このような行動をしている人がいたら、その方は人を信用できない状態にあるのかもしれません。
ぜひ参考にチェックしてみてくださいね。
(1)自己開示が少ない
1つ目に、自己開示が少ないという特徴があります。
もちろん本人の性格により、自分のことを大っぴらに話すタイプもいれば、控えめなタイプもいるかと思います。
人を信用できない人は、自分の手の内を他人に見せることを嫌がります。
性格うんぬんというより、自分のことをなるべく隠したがる傾向にあります。
(2)ナチュラルに嘘をつく
「(1)自己開示が少ない」とも関連しますが、人を信用できない人はナチュラルに嘘をつくことも多いです。
ナチュラルにとは、本人自身も「嘘をついてやるぞ!」と意気込んでいるのではなく、自分の手の内を見せたくないといった思考回路から、無意識のうちに「真実ではないこと」を相手に伝える傾向があります。
そのため本人もあまり「嘘をついている」認識はなく、本音と建前を使い分けているような認識であるようです。
(3)マウンティングしがち
3つ目に、人を信用できない人は、他人に対してマウンティングしがちという特徴があります。
これも「相手を負かしてやろう」といった強い意志のもと行っているものではなく、自己防衛反応から無意識で行なっているものです。
この後の段落で解説しますが、人を信用できない人は無意識のうちに「味方がいない孤独感」を強く感じています。
そのため、自分自身を守るために他者を自分より下に置いておかないと怖い状態です。
その結果、無意識でマウンティングをとってしまいがちになります。
人を信用できない人の特徴(心理編)
それでは、人を信用できない人はどのような心理的特徴があるのでしょうか?
先ほど行動編を解説しましたが、行動の元となる心理状態を3つ解説します。
(1)自分に自信がない
1つ目に、自分に自信がないことが挙げられます。
自己肯定感、自己重要感、自己効力感など…「自信」は様々なニュアンスを包括していますが、自分のことを信じる力が弱まっている時、もしくはまだ育っていない時、人を信用できない状態になりがちです。
何事においても、自分が信じられない、自信がない。
そのため危機管理能力が常に過敏に働いていて「他人を信用する=危険である」そう無意識にインプットされているようなイメージです。
(2)世界が敵だと思っている
2つ目に、人を信用できない状態の人は、世界が敵だと感じている傾向があります。
- 自分以外の全てが敵だと敵と思っているパターン
(環境や社会情勢、会社など、広い範囲が敵など) - 特定範囲を敵と認識しているパターン
(女性は私の味方だけど、男性は敵など)
ケースバイケースではありますが、敵だと認識している存在が多ければ多いほど、孤独感や攻撃性が増すようです。
(3)自己中心的で自己保身が強い
3つ目に、自己中心的で自己保身が強いという特徴があります。
自己中心的で、自己保身が強いと言うと、なんだかすごくネガティブなイメージですよね。
ですが、これらの特性は本人の気質や性格ではなく、(1)(2)を通して
自分は力のないちっぽけな存在で、世界は敵だらけ。
このような思い込みを長年にわたって持ち続けた結果に過ぎません。
自分で自分を守らなければいけない、まずは自分のことを最優先に考えなければ…と危機管理意識が働いた結果、自己中心的で自己保身が強い状態になってしまいます。
もし知人でこのように感じる人がいたら、その人はもしかしたら「人を信用できない…」と実は悩んでいるのかもしれませんね。
人を信用できない人とどう付き合えばいいのか?
それでは人を信用できない人と、どのようにお付き合いしたら良いのでしょうか?
プライベートであれば、そもそも一緒にいない選択もできますが、職場ではそうもいきませんよね。
どうしても関わらなければいけない関係性の人が、人を信用できない人である場合、お付き合いの仕方に困ってしまうことも多いかと思います。
人を信用できない人の特徴で解説した通り、これらの方々は「自分を守りたい」という感情が強いです。
そのため
この人は自分に危害を加える人ではない
そう警戒を解いてもらえれば、深いお付き合いは難しくても、そつなくお付き合いができるでしょう。
人を信用できないことでの影響(恋愛)
では、人を信用できないことで、実生活にはどのような影響があるのでしょうか?
人間関係全般に影響はあるのですが…特に恋愛や結婚など、心の深い部分で相手と付き合う関係性に大きな影響を及ぼします。
このメディアを運営している私たち自己対話の学校(脳トレカレッジ)には、パートナーシップ関連のお悩みを持った女性が多くご相談にいらっしゃいます。
人を信用できないことで、良好なパートナーシップが築けずに困っている状態です。
ここでは、人を信用できない人が恋愛でどのような悩みを抱えがちか、解説していきたいと思います。
(1)幸せなはずの恋愛が不安との戦いになる
1つ目に、幸せなはずの恋愛が不安との戦いになりやすい特徴があります。
恋愛は(ネガティブな感情を味わうこともありますが)幸せで人生に彩りをもたらしてくれるものだと思います。
ですが、人を信用できない人が誰かと恋愛関係になった場合、もしくは好きな人ができた場合、不安との戦いになるケースが多いようです。
相手から好きだと言われたけど、本当に私のことを好きでいてくれているの?
彼氏から連絡が来ない…寂しい…不安…
浮気をしているのでは?
相手を好きな気持ちが高まれば、比例するように、自分の不安も増していく。
相手の前で素直になれず、さらに不安が増していく。
このようなネガティブなループになってしまうことが多いようです。
人間不信やトラウマゆえに他人を信用できない人は、恋愛に苦手意識を持ちやすいです。
(2)束縛と嫉妬で自爆しがち
(1)のように不安な気持ちが大きくなった結果、相手を束縛したり、相手の周りの人物に対して嫉妬しがちです。
相手が束縛を喜んで受け入れてくれたり、嫉妬を愛情表現であると捉えてくれれば良いのですが、そうでない場合に2人の間に関係にひびが入ります。
束縛したい彼女とそれを嫌がる彼氏、こういった関係が長く続くと、不安が爆発した女性が自爆することも多いです。
(3)お互いの可能性を潰してしまう
人のことを信用できず、束縛や支配で繋がっている場合、お互いの可能性を潰してしまう危険性があります。
共依存と表現されることもありますが「支配する⇄支配される」「依存する⇄依存される」この関係性が成り立っている時、お互いの世界が広がることを、お互いが無意識で禁じ合っています。
この状態までいくと、本格的なカウンセリングが必要なことも多いです。
人を信用できなくなる理由
私たちは生まれたばかりの頃は、周りの大人や周囲を信用して、お世話をされていたはずです。
それにもかかわらず、今現在、人を信用できなくなったならば、それには何らかの理由やきっかけがあります。
「なぜ人を信用できないのか?」原因を探ることで、改善策が見えてくることも多いです。
(1)幼少期に生存が危うかった
1つ目に、幼少期に生存が危うかった可能性が挙げられます。
保護者のサポートなしでは生存が危ぶまれるような時期に、十分な保護を受けられず育つと、人を信用する感覚を知らないまま成長することもあります。
(虐待家庭や毒親育ちに多いです)
「信頼すると裏切られる」このような状態で毎日過ごしていては「人を信用する=命が危険である」そう無意識で判断してしまうのも理解できますよね。
(2)心が壊れそうになった経験がある
幼少期に命が脅かされるような経験をしていなくても、人生のどこかのタイミングで心が壊れそうになった経験がある方も、人を信用できない状態になりやすいです。
私たちは成長する過程で、家族、地域、学校、会社、世界…と、自分が関わる範囲を少しずつ広げていきます。
その過程で、友達の裏切りや、いじめ、仕事で上司に恵まれなかったりと、辛い経験をすることで心が萎縮してしまいます。
こういった苦しい経験はきっと誰にでもあるでしょうが、自分の心が壊れそうになるほどの衝撃を受けた場合、過去のトラウマから人を信用できない状態になってしまいがちです。
(3)「人は信用できないものだ」と洗脳された
3つ目に、自分以外の誰かから「人は信用できないものだ」と洗脳されたケースも考えられます。
少し言葉が強いでしょうか。
私たちは無意識に親や友人、メディアなど、様々な情報を採用して自分の意識を作っています。
特に、善悪の判断がつきにくい幼少期に、親や先生、周囲の大人から、繰り返し特定の概念をすり込まれてしまうと、それがあたかも自分の意志のように認識することがよくあります。
特に心配性の親が、子供に過度に守ろうとすることで、望ましくない思い込みを子供が持ってしまうこともよくあります。
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人を信用できない状態を克服する5つの提案
それでは、人を信用できない状態を改善するためには何か有効なのでしょうか?
もちろん「人を信用したい」気持ちが出てこないのに、無理に人を信用せずとも大丈夫です。
人を信用できるようになって、温かな関係性を築きたい
そんな気持ちが出てきたら、次の5つを参考にしてくださいね。
(1)自分への自信を積み重ねる
1つ目に、人を信用できるようになるためには、自分への自信を積み重ねることがお勧めです。
人を信用できない心理は、自分を信用できない心理状態と深い関わりがあります。
自分を信じる力(=自信)を高めていくことで
自分が信用した相手なのだから、きっと悪いようにはならないだろう
このような心境になることができ、結果的に相手を信用することができます。
(2)「裏切られた」と感じる基準を考えてみる
2つ目に、裏切りと感じる基準について深く考えてみるのもおすすめです。
人を信用できない人の多くは、人からの裏切りを恐れています。
自分が相手を信用して裏切られたら…と思うと、恐怖から心を開けなくなってしまうのですね。
では「裏切られた」とは具体的にどのような状況を指すのでしょうか?
- 相手が自分の気持ちに応えてくれなかったら、裏切りなのか?
- 通相手が自分を騙していたら裏切りなのか?
人から裏切られることを恐れていながら、実のところ「裏切られるとは何か?」ここが盲点になっていることも多いです。
(3)小さなことから信じてみる
3つ目に、小さなことから信じてみるのも効果的です。
人を信用できずに悩んでいる人が、いきなり100%誰かを信頼するのは難しいもの。
- この人は仕事に関しては信用できるかも。
- この人はお店選びのセンスだけは信頼できるかも。
ほんの小さなことで構いません。
精神的な負担が少ない範囲で、部分部分に分けて人を信用する感覚を養ってみるのもオススメです。
(4)信用が壊れたらどうなりそうかイメージしてみる
4つ目に、仮に誰かを思いっきり信用してみて「その信用が壊れた裏切られたとしたらどうなってしまいそうか?」イメージしてみるのも効果的です。
先の段落で「人が信用できない人は、他人からの裏切りを最も恐れている」とご紹介しました。
では実際に、人に裏切られたとしたらどうなってしまいそうでしょうか?
『お化けは正体が分からないから怖い』と言われているように、恐怖の感情だけが先走ってしまうと、実際のところ何が怖いのかを見失ってしまいがちです。
すると、必要以上に恐怖を感じてしまうことも多いです。
もし万が一、誰かを心から信用して裏切られた場合、どんな未来が来ると思っているのか?
ゆっくりイメージしてみてはいかがでしょうか?
(5)人を信用するメリットを考えてみる
5つ目に、人を信用するメリットを考えてみましょう。
「人を信用したい」そう頭では考えていても、実際のところメリットが腑に落ちないと、自分が長年抱えてきた考えや感情を変える事は難しいです。
- 人を信用することができたら、どんな未来が待っていそうか?
- もっと豊かな愛情を感じられるのでは?
このように、人を信用するメリットを頭でも心でもたくさんピックアップすると、心境の変化がスムーズになるかもしれません。
信用しあう人間関係は豊かで温かい
ここまで人を信用できない人に共通する特徴や、そうなってしまう原因、人を信用できるようになるための提案をご紹介してきました。
もちろん、無理に他人を信用できるようになる必要はありません。
ですが、私個人の感想としては、他者と心から信頼しあう関係は、想像していた以上に心地よく温かいものだなぁと感じています。
人を信用できない状態から、信用できる状態になるまでには、不安と向き合い、勇気を出すことが必要ですが、チャレンジして損は無いかと思います。
この記事が、誰かと心から信用し合う人間関係を作るためのヒントになれば嬉しく思います。