本当の自分って何なんだろう?
あまりにも漠然とした問いですが、このように感じたことはありませんか?
本当の自分に出会おう!
本当の自分で生きていこう!
本当の自分の可能性を知ろう!
日々SNSやメディアはこのような言葉で溢れ「本当の自分で生きていく=素晴らしい人生が待っている」といった印象を持つ人もきっと多いでしょう。
そうか、今、私が悩んでいるのは本当の自分で生きてないからなんだ…!
といったひらめきの次にやって来るのは
本当の自分ってそもそも何だろう…
といった困惑かと思います。
この記事では「本当の自分について考えてみたけれども、よくわからなくなってきた人」に向けて、本当の自分が見つかるヒントをお届けします。
Contents
「本当の自分」がわからない人は多い
このメディアを運営する私たちは「自己対話の学校」という、女性の悩みに併走するコンサルティング型スクールを開講していますが
本当の私がわからない…
といった悩みは年々増えているなと感じます。
ライフスタイルや生き方が多様化し、個性が重視されるようになった現代ですが、特に日本人は「自分について深く考える習慣が少ない人」が多数派ではないでしょうか。
決められたことを決められた通りに行うことが良しとされる学生時代を経て、個性や主義主張が重視される年齢になったとき初めて
本当の私はどこにいるんだろう…
といった悩みを持つ人も少なくありません。
「本当の自分」がわからなくて困ること
それでは、本当の自分がわからないと、どのようなことで困るのでしょうか。ここでは実際のご相談現場に寄せられる声から代表的なケースを5つご紹介します。
(1)感情が動かなくなってしまう
1つ目に、本当の自分がわからないと感情が動きにくくなってしまう弊害があります。
「自己対応の学校」では、脳と心のコミュニケーション(思考と感情)を通して自己理解を深めていき、願いを叶える力を養っていくトレーニングを提供していますが、現実をダイナミックに動かす鍵は感情にあります。
ですが、本当の自分がわからないと感情が消えてしまうのです。
- 本来は怒るべきシチュエーションで怒りが出てこない
- 喜ばしいことがあったのに喜べない
- 悲しい時に泣けない
このように、状況と感情が別々になったような感覚を覚えるかもしれません。
(2)物事の判断ができない
2つ目に、本当の自分がわからないと、物事すべての判断ができません。
例えば「誰かに暴力を振るうのは悪いことである」といった判断基準があるからこそ
これはやめよう。これは積極的にやろう。
と判断できます。
本当の自分は「自分が何をするか、何をしないか」の判断基準に欠かせないものです。
ですが「本当の自分」がわからない状態だと、何を選ぶべきか何を手放すべきかといった判断基準が不明確です。
そのため人生のステージを進めていくにあたって、自分で何かを判断することが難しくなってしまうでしょう。
(3)人生が他人事に感じてしまう
3つ目に、本当の自分がわからないと、自分の人生が他人事のように感じてしまうことがあります。
自分の人生は自分のものであり、誰かが自分の代わりに何とかしてくれるわけではありません。
「本当の自分がわからない」という気持ちが強いと、「人生は私のものだ」という感覚が薄れてしまいます。
他人事に感じる人生の責任を持つのは苦痛ですし、高いモチベーションを保つことも難しいです。
その結果、願いも叶える力自体が弱まってしまいます。
(4)常に謎の不安がつきまとう
4つ目に、本当の自分がわからないと、常に謎の不安がつきまとうことがあります。
本当の自分がわかりません…見つかる気がしません
昔から常に不安です…貯蓄や安定した仕事はありますが、なぜでしょう…
これらの不安感は「本当の自分との繋がりが薄いこと」が原因で起こるようです。
自分自身を知らない不安定さが、不安感の正体と言えるでしょう。
(5)孤独感が消えない
5つ目に、本当の自分がわからないと孤独感を強く感じるでしょう。
近年インターネットやSNSの普及により、家にいながらでも人と繋がりを持つことができるようになりました。
しかし、本当の自分がわからないと、孤独感が消えず、いつも一人ぼっちだと感じることが強くなります。
「本当の自分」がわからなくなってしまう理由
では「本当の自分がわからなくなる理由」は何でしょうか?
私たちは生まれた瞬間から「本当の自分がわからない…」と悩むことはありません。
しかし、いつの間にか本当の自分がわからなくなることがあります。
きっかけは様々でしょうが、5つご紹介します。
(1)親が過干渉だった
1つ目に、親が過干渉の家庭で育った人が多いです。
家庭の状況はなかなか他家庭と比較することがないため、自分が育ってきた家庭を「普通だ」と思いやすいでしょう。
- 食べるもの
- 着るもの
- どんな友達と遊ぶか
- どんな大事をするか
- どんな時間の使い方をするか
あなたは何が好き?どこに行きたい?
と聞かれることもなく、子供の全てを決定するような教育方針で育てられた場合、自分の意見を主張する機会が与えられません。
そのため、物心ついたときには、もう本当の自分がわからないといった感覚を持っていることも多いでしょう。
(2)子供の頃から役割を求められていた
2つ目にヤングケアラーなど、子供の頃から何かしら役割を求められていた場合も、「自分がわからない」といった感覚が強くなりやすいでしょう。
人は誰でも、あるときは娘、あるときは誰かの妻、あるときは誰かの母、またあるとは誰かの上司など、様々な場面で様々な役割の仮面を被っています。
それ自体は自然なことですが、まだ自我が発達していない時期に、何らかの役割をいつの間にか担わされてしまうケースも少なくありません。
- 家庭内での調整役
- 精神的に不安定な母のサポート役
- 不仲な両親の調停役
- 年齢の離れた兄弟の世話役
「私はこのような人間である」としっかり認識できる前に、役割の方が強く影響してしまうと、本当の自分がわからないとなりやすいでしょう。
(3)周りの空気を読むのが得意すぎる
3つ目に、周りの空気を読むのが得意すぎる人も、本当の自分がわからないと感じやすいでしょう。
周りが求めている振る舞いを無意識で提供できるのは素晴らしいスキルです。
ですが、いつの間にか「周りが求めている振る舞いをするのが通常運転」になってしまうことも。
そのような人の場合も「本当の自分がわからない」と思い悩みやすいでしょう。
(4)HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)
4つ目に、HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)の気質を持つ人も、本当の自分がわからない感覚になりやすいでしょう。
HSPは「繊細さん」と言われたりもしますが、人により特性は様々です。
聴覚が極端に繊細の人もいれば、嗅覚が繊細の人もいます。
もしくは人の感情に対して、とても高い共感性を持つ人もいます。
特に人の感情に対して高い共感性を持つ人の場合
今、感じている感情は自分のものなのか?それとも他人のものなのか?
判断がつかなくなってしまい、自分と他人が混ざってしまうように感じることも。
(5)争いが嫌いで優しすぎる
5つ目に、争いが嫌いで、優しすぎるタイプも「本当の自分がわからない」と悩みやすいでしょう。
例えば、何か欲しいもがあって、誰かと争わないと手に入らない場合、
- 悪意なく他人を蹴落とせるタイプ
- 他人と勝負して勝利するのが好きなタイプ
- 他人と争うこと自体が苦手なタイプ
- 争う位なら負けた方が良いと考えるタイプ
- 勝負で本領発揮できないタイプ
争うくらいなら自分が身を引く、といった性格の場合、自分が欲しいものを他人に譲ってばかりいるうちに
そもそも本当の私は何が欲しかったんだっけ?
といった感覚になりやすいでしょう。
私を深く知る5つの質問
それではここから、自分を深く知るための質問を5つご紹介します。
本当の自分がわからなくなってしまう理由は、大抵「過去」にあります。
そのため、自分がわからなくなる“前”の自分を思い出すことで、本当の自分に繋がるヒントが得られることが多いです。
(1)小さな頃はどんな子供でしたか?
1つ目の質問です。
あなたが小さな頃はどんな子供でしたか?
- やんちゃな子
- おとなしい子
- 本を読むのが好きな子
- 動物が好きな子
- 宇宙に興味があった子
- 走り回ってばかりだった子
- 喧嘩が多かった子
子供たちは生まれて数ヶ月の頃からもう個性豊かです。
記憶にある限りで構いませんので、小さかった頃の自分を思い出してください。
あなたはどんな性格の子供でしたか?
(2)学校の休み時間はどう過ごしていましたか?
2つ目の質問です。
小学生や中学生の頃、学校の休み時間はどのように過ごしていましたか?
大人になると「やりたいこと」よりも「やらなければいけないこと」が増えてしまい、つい自分自身の気持ちをおざなりにしやすいです。
ですが、小学校や中学校の頃に「やらなければいけないこと」と言えば、授業を受けること位でしょう。
それでは「授業を受ける」以外の休み時間か放課後、あなたはどのように過ごすことが多かったですか?
休み時間があれば運動場に飛び出していましたか?
それとも友達とおしゃべりをしていましたか?
ちなみに、私は5分の休みがあれば図書館にこもる子でした。
(3)最近、心が動いたことは何ですか?
3つ目の質問です。
最近、心が動いたことは何ですか?
- 素敵なクラシック音楽を聴いたときに心が震えた
- 旅先の美しい景色に涙が出た
- テレビで目標に向かって頑張る人の特集を見てかっこいいなと思った
- 友人が新しいチャレンジをしているのを聞いて、勇気をもらった
あなたの心が動いた瞬間=感情が刺激された=本当のあなたが顔を出してきた瞬間、とも言えます。
本当の自分のヒントは「感情が動く瞬間」にありますので、ぜひ思い出してみてください。
(4)どんな悩みが多いですか?
4つ目の質問です。
今までの人生で、あなたはどのようなことで悩むことが多かったですか?
- 友人関係で悩むことが多かった
- 恋愛で悩むことが多かった
- 先生や上司など目上の人との関係で悩むことが多かった
- 健康問題に悩むことが多かった
- 家族問題をいつも考えていた
なんとなく、人生全体を通して共通するジャンルがあるのではないでしょうか。
このメディアを運営している「自己対話の学校」では「悩み事=可能性の塊」と捉えています。
昔から悩みが多いジャンル=苦手ジャンルとも言えますが、同時に“本当の自分が持っている才能の在りかを示す”とも考えています。
(5)憧れつつも諦めたことはありますか?
5つ目の質問です。
憧れつつも諦めたことはありますか?
- 女優に憧れてきたけど諦めた
- 芸術家になりたかったけど芸大に通うことができず諦めた
- 留学したかったけど諦めて公務員になった
- 行きたい大学があったけど親に反対されたので諦めた
- ダンスを習ってみたかったけど諦めた
あなたにもきっと、憧れつつも諦めたような経験があるでしょう。
諦めた理由は人それぞれかと思いますが「憧れる=本当のあなたの価値観」とも言えます
「憧れてたけど諦めた」体験が多ければ多い人、本当の自分が隠れてしまいます。
思い出を整理してみましょう。
「本当の自分」と再会する喜びを感じよう
それでは最後にまとめです。
本当の自分がわからなくても、日常生活ですぐトラブルが発生するわけではありません。
問題なく仕事もできるでしょうし、今すぐ健康が阻害されるわけでもありません。
「すぐに大きな問題にならない」からこそ、つい後回しにしてしまいますよね。
本当の自分がわからない期間が長くなればなるほど、どんどん自分の人生が他人事になり
私は一体、誰の人生を歩んでいるのだろうか…
といった感覚が強くなるでしょう。
このような無力感を長く持っていると、心身ともにエネルギーダウンしてしまいます。
仕事が一段落した時、コーヒーを淹れてほっとしている時、布団でリラックスしている時…
自分の心がフッと緩んだ瞬間に、「本当の私ってどんな人間なのだろう?」と意識を向けてみてください。
過去の本当の自分と再会した時、初めて“本当に自分が望んでいた人生の輪郭”が見えてくると思います。
この記事が、誰かの参考になれば幸いです。