頑張りたいのに頑張れない
今が頑張り時なのにどうしてやる気が出ないんだ…
モチベーションが切れてしまった…
このように頑張れない自分を責めてしまっている方はいませんか?
もし「頑張りたいのに頑張れない」ことで悩んでいる方がいたら、それは決して甘えではないと知って欲しいです。
そうは言っても、頑張りたい気持ちとは裏腹に頑張ることができないのは精神的にも辛いですよね。
このような状態のとき、心はどんな状態になっているのか?
抜けるためにどうしたらいいのか?について「心からのSOSを解読する」という視点から解説したいと思います。
この記事が「頑張りたいのに頑張れない」そう自分自身を責めて辛くなっている人のお守りになれば嬉しいです。
Contents
「頑張りたいのに頑張れない…甘えてる?」そう感じたら
まず最初に「頑張りたい」という気持ちが出てくるだけで、あなたはもう充分立派であると知ってください。
世の中には「どれだけ楽して得をしよう」とか「いかに自分が頑張らずに、他人にやらせるか?」とか、このような思考で生きている人も存在します。
頑張りたいと思えるだけで素晴らしいことです。
ですが、その気持ちが自分を苦しめる原因になってしまったり、自信を失う理由になっているのはもったいないですよね。
頑張れない=甘え。それは根性論です
極端なことを言ってしまえば「頑張れないのは甘えである」このような主張は、論理的思考を欠いた根性論であると考えています。
たしかに長い人生では、時に気合や根性も必要かもしれません。
ですが、頑張れない理由やその背景を探らずに「甘えている、怠けている」と判断してしまうのは少々雑でしょう。
気合と根性でなんとかするのではなく
頑張れないことに理由があるなら、それはなぜか?
この視点から、頑張りたいのに頑張れない状況を深く探っていきたいと思います。
日本のうつ病の状態
本題に入る前に少し視点を変えて、日本のうつ病に関する現状をご紹介します。
「頑張りたいのに頑張れない」と感じるのは、うつ病(うつ状態に近い人)たちが多いかと思います。
多くの企業が職場のストレスケアに取り組んでいますが、実際のところ日本でうつ病はどのくらい増えているのでしょうか?
2020年に行われた、経済協力開発機構(oecd)のメンタルヘルスに関する国際調査が興味深いのでご紹介しますね。
>>>リンクはこちら
この調査はコロナ禍で人々のメンタルがどのように変化したか?の調査ですが、日本では2013年時点でうつ病(もしくはうつ状態の人)が7.9%だったのに対し、2020年では17.3%と2.2倍になっています。
5人に1人近くがうつ状態であると考えたら、かなり高いと思いませんか?
社会情勢の変化もありますが、これだけ多くの人が心を病む現代社会では「頑張れないのは甘え」とは言い難いでしょう。
脳と心がズレると「頑張りたいのに頑張れない」になる
このメディアを運営している私たち自己対話の学校(脳トレカレッジ)では、脳と心(思考と感情)の望みがズレると、精神に負荷がかかって悩みが発生すると考えています。
そして両者の方向性を一致させることで悩みを自然に解決する脳と心のトレーニングメソッド(通称:脳トレ)を提供しています。
多くの相談者様の話を伺う中で「頑張りたいのに頑張れない」このような状況になっている方の多くは、脳と心がズレている(頭で考えていることと、心で感じていることの差が大きくなってしまっている)状況にあると感じています。
わかりやすい例を1つ挙げますね。
- 頭では「社会人たるもの仕事を精一杯頑張らねばならない」と考えている。
- でも心では「好きでもない仕事に1日8時間も費やして、サービス残業までするなんて苦痛だ」と感じている。
このような場合、頭と心で折り合いがつけば良いのですが、そうではない場合「心の望みを優先させるために、体を動かなくする」などの方法で、目的を果たそうとすることがあります。
例えば、言葉を話すのもままならない小さな子が、幼稚園に行きたくないとき、微熱が出たりすることもありますよね。
心と身体は深く関連しており、心の望みを通すために体に何らかの影響を与えることも少なくありません。
大人になるほど、思考や理性が働くようになりますが、時に理性でコントロールできない望みがあった場合に、本人の意思とは裏腹に体が動かない状況になることも。
頑張りたいのに頑張れない…これは甘えではないか?
このように感じる場合、脳と心(思考と感情)のズレがという観点からも考えて良いかと思います。
頑張れない理由を探そう
それでは「頑張りたいのに頑張れない原因」を探していきましょう。
もちろん、ここに書いたことが全てではありません。
ですが、何かしら
私が頑張れない原因はこれに近いかもしれない
そう思えるだけで、きっと心が軽くなると思います。
ぜひ参考にしていただけたら嬉しいです。
(1)もうすでに頑張りすぎている
1つ目に、もうすでに頑張りすぎている可能性があります。
真面目で努力家な頑張り屋さんにも多いのですが、小さなころから頑張ることが普通になっていると「頑張っていると自分で認定する基準値」がものすごく高くなっていることも多いです。
本人的には頑張っている自覚がなくても、十分に頑張っている状態であり、そこからさらに負荷をかけようとすると心身ともに悲鳴をあげてしまう状況です。
頑張りの基準値が高いことがNGではないのですが、その基準値が自分にとって心地良いものかどうか?の判断も大事かもしれません。
(2)大きすぎる目標を前に焦りすぎている
2つ目に、大きすぎる目標を前に焦りすぎている可能性もあります。
極端ですが「私の目標は人類を火星に連れて行くこと」このような大きすぎる目標を立てた場合、自分の現在地がちっぽけに感じてしまいがち。
目標の到達先が遠すぎて、いつになったら到達できるのかが全くわからない状態になってしまいます。
さすがに「人類を火星に連れて行く」は極端だとしても、無意識でこのような状態になっている人は少なくありません。
(3)エネルギーが枯渇している
3つ目に、エネルギーが枯渇している可能性も考えられます。
「頑張りたいのに頑張れない」人の場合、過去に「気持ちよく頑張れていた経験」を持っている人も多いです。
- 「昔はもっと成果にこだわってプレッシャーにも打ち勝ってた」
- 「でも今は仕事の勉強すら頑張れない…」
- 「私は頑張れない人になってしまったの?」
趣味に仕事に勉強に運動に…とエネルギッシュに動いていた自分を知っているからこそ、今の自分との差に落ち込んでしまい、甘えなのでは…と責めてしまうケースもあります。
(4)頑張った先の未来に希望が見えない
4つ目に、頑張った先の未来に希望が見えないことも挙げられるでしょう。
特に職場において
仕事を頑張ったところで、将来はこの上司のような毎日と平凡な生活が待っているのか
と思った時、その未来があまり魅力的ではないこともよくあります。
やる気のない同僚やネガティブな人間関係、改善が見込めないお給料や待遇のまま、未来に明るい夢を見るのは困難です。
そんな状況で「やりがいを持とう、成長しよう、自ら行動しよう、目標達成しよう」と言われても、意味を見出すのが難しいですよね。
(5)頑張れないメリットが大きい
そして5つ目に、「頑張れない方が、実はメリットが大きいケース」も考えられます。
これは少し珍しいケースですが、私たちが提供している脳トレのコンサルティングでは「脳・頭の状態」と「心・感情の状態」を分けて認識するところから始めます。
すると、普通に考えると頑張れるような状況なのに、心が抵抗していることがあります。
- 本人が疲れているわけでもない。
- 今ここで頑張っても何かデメリットがあるわけでもないように思える。
- それにも関わらずなぜ頑張れないだろうか?
このような疑問が浮かんだ場合、しばらくするとその人が頑張らなかった(頑張れなかった)ことで、周りに良い影響が発生するケースが多く見られたのです。
例えば、出産直後のお母さんが
家のことも頑張りたいのに疲労で動けない
状況に陥ったとき、今まで家のことに非協力的だった旦那さんがメキメキと家事の腕を上げ、夫婦仲が良くなったとケースもありました。
また、とても仕事のできる女性が
頑張りたいのに頑張れない
状況になり、社全体の業績が低迷して困っていたとき…
今まで頼りなかった部下たちが自分事として業務に取り組むようになり、業務が効率化され、社全体に良い影響があったなど。
「頑張りたい、頑張ったほうがいいに決まっている」といった考えが、必ずしも周囲にとって最適なものではないことも多くあるようです。
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頑張れない状態から抜ける5つのヒント
そうは言っても「頑張りたいのに頑張れない」ままずっと過ごすものは辛いものですよね。
このような状態から抜けるための対処法についてポイントをまとめてみました。
(1)今の頑張りをフラットに評価してみよう
まず1つ目に、今の頑張りをフラットに評価してみるのもおすすめです。
「頑張りたいのに頑張れない」このように自分を責めてしまう人の多くは、昔から頑張り屋さんである傾向があります。
そのため、頑張っているのが通常運転で自分の頑張りをあまり評価していない、亡きものにしているケースも多いです。
本当に自分は頑張っていないのだろうか?
一度このように問いかけてみてください。
意外と自分が頑張っていないと思い込んでいるだけで、周りから見れば頑張りすぎているかもしれません。
(2)目標を少し手前に持ってきてみよう
2つ目に、高すぎる遠すぎる目標を少し手前まで持ってきてみるのもおすすめです。
「人類を火星に連れて行く」これは極端すぎるとしても、なかなかハードすぎる目標をかけている人は少なくありません。
1つ素敵な例があったのでご紹介させてください。
独自の片付けメソッドで有名な近藤麻理恵さん(こんまりさん)は、3人目のお子様を産んだことをきっかけに片付けを諦めたとおっしゃっていました。
生まれたての子供を含む3人の子供を育てながら、常に整った部屋を維持する。
これはお片付けのメソッドで全世界的に有名になった人でも簡単ではないようです。
- 今の自分の環境を考えたときに、目標としていることは高すぎるのではないか?
- 将来的には叶えるけれども、今は一旦は脇に置いてもいいのではないか?
このような考え方ができると、ふっと心が緩むかも知れませんね。
(3)エネルギーが枯渇する原因を見つけよう
3つ目に、もしかしたらエネルギーが枯渇しているのかもしれません。
例えば、職場・仕事でもっと頑張りたいと思っているのに、なかなか思うように動けないとき、つい「仕事の問題」として捉えがちですが、もう少し広い視点で捉えてみてください。
職場とは関係ないプライベートなところで、気力が削がれるような悩みごとはありませんか?
夫婦の不満、友人とのいざこざ、子供への心配…仕事に対する踏ん張りが効かないときに、その原因が仕事以外にある場合も多いです。
このような場合、何とか仕事での目標を見つけて頑張ろうとしても無理があります。
仕事は人生の一部分に過ぎませんので、人生全体を見たときに、エネルギーを削がれているようなことがないか?整理してみるのがおすすめです。
(4)頑張った先に何が手に入ったら嬉しい?
頑張った先に何が手に入ると確信できたら、喜んで頑張ることができそうかイメージしてみるのも効果的です。
先程の段落で「会社に入って仕事を頑張って、頑張った先の未来があまり魅力的ではない上司の姿」みたいな場合、頑張ることができないのは当然だとお伝えしました。
それならば未来で何が手に入ると確信できたらエネルギーが湧いてくるのでしょうか?
社会人だから、一家の大黒柱だから、お母さんだから…このように理性で頑張ることは、一時的には可能でも継続は難しいです。
これが手に入るならいくらでもエネルギーが沸きそうだ!
このように感じるものを、なるべく明確かつ具体的にイメージしてみてください。
今の職場でそれらを見つけるのが難しそうであれば、転職も視野に入れてもいいと思います。
(5)潜在意識に委ねてみよう
そして最後、5つ目に「潜在意識に委ねてみよう」という提案です。
先ほどの段落で「結果的に本人が頑張れない方が全体最適化されるケースもある」とお伝えしました。
ですが、自分が頑張れないことで全体が最適化されるのかどうか?は、今の時点では何とも判断ができないことがほとんどでしょう。
ですので、(1)~(4)の対策をしてみて、
それでも頑張れなくてしんどい…
そんな場合には、私たちの潜在意識に委ねてみることも1つの手です。
コントロールを手放すのは不安ですが、意外と「あの時頑張れなくてよかった」と感じる未来が待っているかもしれません。
頑張ることが正解の世界から抜けよう
それでは最後に、頑張ることが正解の世界から抜けてみるのはどうでしょうか?という提案です。
この記事では、頑張れない原因や対策についてをお伝えしてきました。
ですが、そもそも頑張ることだけが正義のでしょうか?
もちろん頑張る事は素晴らしいことで、誰かが頑張るひたむきな姿は多くの人に勇気を与えます。
ですが、自分の調子や状況によっては頑張ることが困難な時もあるでしょう。
そんなとき「頑張ることが素晴らしいことで、頑張れないのは悪いこと」このような価値観の中で生きていると、苦しくなってしまいます。
- 自分が心から頑張りたいと思った時には頑張る。
- 今は休憩したいと思ったらしっかりリラックスする。
これらの選択を罪悪感なく、本人がすることができ、周りも頑張っていない人を責めるような風潮がない。
そんな環境こそが、誰にとっても優しい世界なのではないかと感じます。
この記事が、すべての頑張り屋さんにとってホッとできるものになっていれば嬉しいです。