「自分が正しい!」そう主張し続ける人との関係は疲れてしまいますよね。
私たちは社会の中で、自分以外の他人と関わりながら生活をしています。
人の性格はそれぞれ個性豊か、多様性が大事なことはわかりつつも、正直あまり近づきたくない人がいるのは普通です。
「私が正しいのだ」と口には出さずとも、雰囲気で感じさせてくる人が近くにいると、こちらの気分も沈んでしまいがち。
関係性が遠ければまだしも、身近な人が「自分が正しい」と常に思い込んでいるタイプの場合、ストレスも大きいでしょう。
この記事では「自分が正しい」と思っている人とそつなく付き合う、あわよくば仲良くなる方法について解説していきます。
一般的に、人から距離を置かれることが多い「自分が正しいと思っている人」ですが、お付き合いのコツをつかめば意外と仲良くなれるかもしれません。
Contents
自分が正しいと思いこむ病気
本人の性格的な問題ではなく「自分が正しい」と思い込んでしまう病気、精神疾患もあります。
代表的なものが自己愛性パーソナリティ障害です。
自己愛性パーソナリティ障害は、自分の意見が絶対と確信しているため、根拠もなく強い意見を発したりすることが特徴です。
人からの注目を求めたり、自分を特別視してもらわないと気が済まない傾向にあるようです。
精神疾患の診断は難しいところですが、実際のご相談現場でも「グレーゾーンかもしれない…」と感じる方は稀にいらっしゃいます。
自分が正しいと思っている人の特徴的な行動
それではここから「自分が正しいと思っている人」の、特徴的な行動について5つ解説します。
このメディアを運営している私たち自己対話の学校(脳トレカレッジ)は、10年近くさまざまなライフステージの女性のご相談を伺ってきました。
ご相談内容のメインは恋愛や結婚を中心とした人間関係について。(職場の人間関係や家族など)
多くのご相談を伺う中で「自分が正しい」と思っている人との関係で悩んでいる人の多さに驚きました。
もし、あなたの周りにこのような態度をとっている人がいたら、その人は(意識的にであれ無意識的にであれ)自分が正しくて周りが間違っていると思い込んでいるタイプかもしれません。
(1)人間関係に勝負を持ち込む
1つ目に「人間関係に勝負を持ち込む」人が多いです。
自分が正しいと思っている人とっての人間関係とは、自分が正しいことを証明する手段です。
そのため「あなたは正しい」と賛同する人は味方で、「あなたは間違っている」と感じさせる人は敵に分類されます。
本人はこれらの区分けを自然に、無意識で行っているため「自分は人間関係に勝負を持ち込んでいる」ことに気がついていないケースが多いです。
ですが、人間関係全般…家族、同僚、友人、場合によっては恋人も勝負相手とみなしてしまうため、なかなか心の底から安心感を与え合う関係になることが難しいようです。
(2)高圧的な態度を取る
2つ目に「高圧的な態度を取る」特徴があります。
自分が正しいと思っている人にとっては
- 正しさ=正義
- 間違い=悪
このような構図になっているため「正義は悪よりも強い立場でなくてはいけない」といった思い込みを持っていることが多いです。
そのため、相手に対して高圧的な態度を取る特徴があります。
特に、自分よりも気が弱そうな人、立場が弱い人に対してその傾向が顕著でなようです。
ただ、本人は相手に対して圧力をかけている意識はなく、ただ「自分が正しいことを主張している」に過ぎないので、悪意がないことが多いです。
ですが、悪意がなくても高圧的な態度からモラハラやパワハラ認定されたり、結果的に「いじめ状態」になってしまうケースもあります。
いわゆる「内弁慶」や「ネット弁慶」と呼ばれる人たちもここに当てはまります。
(3)クレームが多い
3つ目に「クレームが多い」傾向があります。
自分が正しいと思っている人は、無意識で「自分の正しさを証明したい」といった欲求を常に抱えています。
そのため、自分の正しさを証明できるような出来事を常に探していると言ってよいでしょう。
自分の正しさを証明するには、相手役として「間違ったことをした人」が必要です。
そのため、たとえば商品・サービスの不備や、お店や企業がなんらかの不手際を起こした場合、クレームと言う形で自分の正しさを証明しようとします。
このタイプの人がお客さまとしてクレームを言っている場合(本当に不手際があった場合もありますが)自分の正しさを証明するための機会として、利用しただけに過ぎないケースも少なくないでしょう。
(4)謝らない
4つ目に「謝らない」人も多いでしょう。
自分が正しいと思っている人にとって、謝罪=自分の負け・間違いを認めることになります。
そのため大事な場面ではもちろん、ちょっとしたことでも謝ることを極端に嫌がる人も多いようです。
- 「ごめんなさい」
- 「すみません」
- 「申し訳ありませんでした」
このような言葉は負けを意味するものであり、自分は正しくはありませんでしたと認めているようなもの。
もちろん企業同士の大きな交渉事などでは、簡単に謝罪の言葉を出さない方が良いケースもありますが、身近な間柄の人にも謝罪ができなくなってしまうと人間関係での摩擦が多くなるでしょう。
(5)被害者になる
5つ目に「被害者になる」ケースもあるでしょう。
ここまでご紹介してきた4つは
- わかりやすく、相手よりも上に立とうとする
- 相手に非を認めさせて、勝とうとする
このように、どちらかと言うとわかりやすい特徴でした。
最後、5つ目にご紹介するのは「自ら被害者になる」という、ここまでとは逆のパターンです。
一見「被害者」と聞くと、弱くて逆らえない人といった印象を持たれがちですが、実は違った側面もあります。
「被害者という形態をとった加害者」に自らなることで、実は相手に無実の罪を着せて、優位な立場を取ることも可能です。
例えば、心の底では本当は自分が正しいと思っているけれども、相手の口が達者だったり、社会的な立場では負けていたりして、わかりやすくマウント取れない時…
自ら進んで被害者になることで、相手を加害者に仕立て上げ「私は被害を受けた弱い人間です」と、周りの人にアピールします。
そうすることによって周りを味方につけたり、相手に罪悪感を抱かせたりして、間接的にマウントを取る方法があります。
被害者になるケースは巧妙なため、周りからは気づかれにくく、また(1)~(4)より容易です。
そのため、自ら被害者のふりをすることで相手に勝とうとする思考癖がつきやすいのが注意点です。
自分が正しいと思っている人との関係性は?
今、あなたの頭の中に
あの人は自分が正しいと思っていそうだなぁ
と浮かんだ顔はありますか?その人との関係性はどういったものでしょうか?
「自分が正しいと思っている人」との関係性によっては、なかなか関係を改善することが難しいこともありますよね。
ここでは「自分が正しいと思っている人」との関係性について見ていきましょう。
(1)親子関係
1つ目に、自分の親が「自分が正しいと思ってる人」のケースを解説します。
このメディアを運営している私たち自己対話の学校(脳トレカレッジ)には、10代後半〜50代位の女性がいらっしゃり、親子問題のご相談も多いです。
年齢的にも「自分の子供に逆らえなくて、困っている」と言うよりも「自分の親に対して逆らえずに、困っている」ケースが多いです。
親は私たちが生まれた瞬間…まだ無力で誰の助けもなく生きることができない時から「絶対的な存在」として、自分の側にいた人です。
つまり、よくも悪くも生まれた瞬間から、私たちの命の手綱を握っている存在だったのですね。
そのため、子供が成長して、自分の力で生きていけるようになったとしても、小さい頃に入り込んだ「絶対的に逆らえない存在」として無意識にこびりつきやすいです。
その親、相手が「自分が正しいと思っている人」の場合、もともとの立場も相まって、関係性をひっくり返すのに苦戦しやすい間柄かと思います。
実際、自己対話の学校(脳トレカレッジ)では、恋愛や結婚のご相談でお越しになったけれども、最終的に親子問題に取り組む方がとても多いです。
(2)夫婦関係、カップル、パートナー
2つ目に、配偶者、お付き合い中の相手が「自分が正しいと思っている人」のケースを解説します。
私たちがご相談をお受けするのは、ほぼ全員が女性のため、配偶者もしくはお付き合い中の相手は、おのずと男性であることが多いです。
(数は少ないですが、パートナーが女性、同性の方も中にはいらっしゃいます)
パートナーが異性、特に男性の場合、女性から見た男性は力で勝つことが難しいです。
そのため「相手が自分が正しいと思っている人」の場合、いろんな意味で身の危険を感じて、相手の主張を受け入れてしまうケースが多いように思います。
特に、相手の男性の心の成熟度が低い場合、自分の主張をうまく言葉にすることができず、強い言い方や態度になってしまうことも多いです。
その場合、女性側が恐怖を覚えることも多いでしょう。
このケースを解消するためには、相手の心の成熟度を上げていく、もしくは「相手の社会的な面を引き出す」ために、距離を調整しながら関係を改善していくのが1番良いかと思います。
(心の距離が近くなるほど、相手の社会的な面ではなくプライベートな面が出やすいため)
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(3)友人、同僚
3つ目に、友人や同僚が「自分が正しいと思っている人」のケースを解説します。
相手が友人もしくは同僚の場合
(1)親子関係
(2)夫婦関係、カップル、パートナー
これらと比較して、付き合い方や関係性を改めやすいかと思います。
とはいえ、自分が正しいと思ってる人が職場やクラスにいると、気になることも多いですよね。
よほど相手と仲良くなりたいなどの気持ちがなければ、少しずつ離れるなど対処してしまったほうが、疲れることもないでしょう。
友人、同僚間で起こりやすい行動としては「自分が正しいと思っている人の特徴的な行動」で解説した、この3つあたりが多いです。
(1)人間関係に勝負を持ち込む
(4)謝らない
(5)被害者になる
指摘をまったく受け入れない、常に自分が正しいと思っている人と友達になっても、あまり楽しい時間を過ごすことも難しいかと思います。
※私たちが提供する脳トレ(脳と心のコミュニケーションスキル)では、「感情としては嫌だけど、なぜかどうしても関係を続けないといけない気がする」といった直感がある場合は、例外としています。
心の奥深くに何かしら望みがあることも多いので、その場合は距離を離さず関係性を改善してくのがおすすめです。
(4)上司
4つ目に、上司が「自分が正しいと思っている人」のケースを解説します。
このケースに関しては、なかなか判断が難しいところもあるかと思います。
というのも一般的に考えて、上司は「自分よりも業務経験や社歴が長い人」であることが多いです。
そのため
うちの上司は自分が正しいと思っているけど、間違っている
と思っている本人の認識自体がズレているケースも多く、冷静な確認が必要かとは思います。
(つまり自身側が『自分が正しいと思い込んでいる人』である可能性もある)
とは言え、業務スキルとは別に「どんなことであれ、自分が正しい」と思っている上司の場合、お付き合いの仕方にも工夫が必要でしょう。
具体的な対策は、この後の段落で解説する「自分が正しいと思っている人との接し方」を参考にしていただければと思いますが
- 感情的な問題が原因で高圧的な態度になっているのか?(心の成熟度)
- 過去の努力や実績などが理由で、仕事にプライドを持っているのか?(自信があるだけ)
それによって対処法が変わってくるかと思います。
(5)仕事のお客さま
5つ目に、取引先や仕事のお客さまが「自分が正しいと思っている人」のケースを解説します。
仕事のお客様といっても、企業対企業(会社の代表者として、お互い知り合っている状態)もあれば、自分は企業の人間で、商品を使っているお客様が相手のこともあると思います。(コールセンターのカスタマサービスなど)
会社やブランドの看板を背負った状態で相手と接する場合、またプライベートの人間関係とは違った難しさがありますよね。
企業対企業のお取引先の場合、企業間の力関係によって、相手がマウントをとってきたりするケースも多いです。
「企業の力=自分の力」と勘違いしている場合ですね。
また、対お客さま(カスタマサービスなど)では
お金を払っているのだから
と言う理由で、高圧的な態度になる人も多いです。
もしくはその態度が通用しなくなると、自分が被害者になることで、企業側を加害者に仕立て上げようとすることもあります。
そういった癖がついている人は、各企業からめんどくさいクレーマー扱いされることも多いでしょう。
大抵のケースでは、自分が別の人間関係やコミュニティで貯めてきた鬱憤を晴らす相手先を探しているだけのことが多いので、なるべく距離をとってしまったほうが楽かと思います。
もしくはどうしても自分が対応しなくてはいけない場合
- この人の心の傷が癒えますように
- この人は私と関わる前にどこかで、他人から邪険に扱われたのだなぁ
など、相手を否定せず、感情に寄り添ってあげると、不思議と相手の態度が落ち着くことも多いです。
(スピリチュアルな意味ではなく、潜在意識は他人同士でも繋がっているという考え方があります。そのためこのようなことが起こります)
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自分が正しいと思っている人との接し方は?
それでは、自分が正しいと思っている人は具体的にどのように接することがないのでしょうかここでは5つご紹介したいと思います。
(1)なるべく関わらない
1つ目は、なるべく関わらないことがおすすめです。
「どのように接すれば?」について情報を伝える記事で身の蓋もないようですが、自分が正しいと思っている人と関わるのは、心理的に楽ではありません。
ここまでで解説した通り「自分が正しいことを証明するための相手役」として使われることも多いため、相手に対してそんなにこだわりがないのであれば、距離を取るのが1番楽かと思います。
(2)長期的な視点で関わる
2つ目に、長期的な視点で関わることがおすすめです。
いつも自分が正しいと思っている人は、何らかのきっかけや、人生を振り返るような出来事がないと、大きく変化するのは難しいです。
こちらの「すぐ逃げる人の特徴」とも関連しますね。
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ですが、難しいといっても人間誰でも変わる可能性があります。
1ヶ月2ヶ月で、これまで何十年も癖ついてきた思考を変えることは難しいですが、数年単位で考えてみましょう。
焦らずゆっくり、長期的な先で関わることができれば、相手の思考を少しつづ変化させて良い関係を築くこともできるでしょう。
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(3)相手の態度は気にしないマインドを持つ
3つ目に、相手の態度は気にしないマインドを持てると良いでしょう。
「(2)長期的な視点で関わる」でも解説した通り、 長年の思考癖を数ヶ月で変えることは難しいです。
そのため、もし「自分が正しいと思っている人」と長期的な関係を築くのであれば、相手の態度は気にしないマインドを持つことが大事です。
相手は、自分の正しさを証明するために、自分の価値を証明するために、人に対して高圧的な態度を取ったり、被害者になったりします。
その態度に毎回振り回されてしまうと、自分の心が疲弊してしまいますので、相手の態度は気にしない強いマインドを身につけましょう。
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(4)勝負の世界から抜けてもらう
4つ目に、相手に勝負の世界から抜けてもらうことを決めましょう。
相手の言動が辛いからといって、相手に直接
いつも自分が正しいと思わないで!
あなたの考えを改めて!
このように伝えても、相手とっては「戦いの火蓋が切って落とされた」といった認識になってしまうので、逆効果です。
スムーズなコミニケーションを取るためには、相手に勝負の世界から抜けてもらう必要がありますよね。
この短期間では難しいので、相手と辛抱強くコミニケーションをとりながら
相手がなぜ誰に対しても戦おうとしてしまうのか?
といった原因を見抜いてあげましょう。
その原因を癒すことで、勝負の世界から抜けるお手伝いができれば最高です。
(5)相手の心の弱さを許容する
5つ目に、相手の心の弱さを許容することを心がけてみましょう。
自分が正しいと思っている人は、繊細な心の弱さを抱えているケースも多いです。
- 自分がまだ弱い時に、誰かに攻撃されてひどい目にあった
- 自信のなさを隠すために、常に強がっていなければならない
- 本当は心に孤独を抱えているけれど、それを見せてはいけない立場である
こういった、自分の弱さを隠すために「いつも自分が正しい」といった態度を取らざるを得ないこともあります。
あなたが、相手の心の弱さを許容できるような態度を見せていくと、徐々に相手の戦闘態勢も和らぐかと思います。
自分が正しいと思っている人こそ愛情を求めている
最後に、自分が正しいと思っている人こそ、本当は温かな愛情を求めていると個人的には感じます。
もともと繊細な感性を持っていたのに、何かが原因で、他人に勝っていないと不安になってしまった人たちです。
また、その思考癖の直し方がわからなくて、困っている人も多いなと感じます。
自分が正しい、相手が間違っている
こういった思考癖を長く持ち続けた人の末路は、なかなか寂しいものだと思います。
もしあなたの大事な人が「自分が正しい」と頑なに譲らない人なのであれば、ぜひあなたの温かな愛情で、お相手の心の傷を癒してあげて欲しいなと思います。