職場でもプライベートでも、いつも言い訳ばかりする人との付き合い方に悩んでいませんか?
自分の落ち度を認めず、ミスを認めず
私は悪くないんです!
そんな主張ばかり繰り返す人が周りにいると、どうしてもストレスが溜まってしまいますよね。
もしかしたらこの記事を読んでいるあなた自身が、職場の上司や友人、知人に
あなたっていつも言い訳ばかりよね
などと言われて落ち込んでいるかもしれません。
この記事では主に、無意識で言い訳が多くなってしまう人の心理状態を探りながら、言い訳が多い人とストレスなく付き合っていく方法について解説します。
Contents
いつも言い訳ばかりする人…どう接すればいいの?
- 言い訳ばかりする人が周りにいて、付き合い方に困っている
- 「あなたはいつも言い訳ばかり」と注意された
どちらかというと前者の人の方が多いと思います。
彼ら、彼女らの言い訳を聞くたびにストレスを溜めていては、こちらの身が持ちません。
いい加減、自分の非を認めなさいよ!
どうしていつも言い訳ばかりするの?!
つい相手に怒りをぶつけてしまいがちですが、ここは発想を変えて、いつも言い訳ばかりの彼、彼女たちを理解することに努めませんか?
【猫は水が苦手である】という事実を知らずに猫と暮らすと、お風呂に入ってくれない猫に対してストレスを感じてしまいます。
ですが【猫は本能的に水を怖がる傾向がある】と知っていたらどうでしょうか?
事実は変わらずともあなたのストレスは幾分マシになるかと思います。
言い訳ばかりする人の心理状態
この記事を書いている私は女性向けに人生のコンサルティングを行う仕事をして10年ほどになります。
相談者さまの中にも「この方は少々言い訳が多いな」と感じる方がいらっしゃいますが、彼女たちは意識的に言い訳をしているのではなく無意識です。
そのため「言い訳はやめて」と真正面から言っても、無意識で行っていることですから話がすれ違ってしまいます。
それではここから「言い訳ばかりする人」の心理状態について5つご紹介します。
(1)できない自分を認めたくない
1つ目に、できない自分を認めたくないことが理由で、言い訳に走る人も多いです。
コンサルの現場ではこのパターンが1番多いかなと思います。
それは私のミスじゃないだから私は悪くない。
(私はもっとできるもん!)
様々な理由で自己評価が上振れている人に多いのですが、できない自分を真正面から直視する心の準備ができていない場合、周りからの指摘に対して「拒否」するために言い訳をする傾向があります。
(2)責任を持ちたくない
2つ目に、責任を持ちたくないことが理由で、言い訳する人もいます。
周りから何かを指摘された場合、「言い訳せずに指摘を受け入れる=自分のミスや落ち度を認める」に直結します。
ちょっとしたミスやうっかり程度であればまだ良いのですが、言い訳をせず、相手からの指摘を受け入れることで(本人的に)大きな責任が発生するようなケースもあるでしょう。
その場合に
(無意識で)私はその責任を持ちたくありません。
誰か代わりに責任を持ってください。
といった心理的な背景から言い訳が多くなることがあります。
(3)人に嫌われたくない
3つ目に、人に嫌われたくないために、言い訳にする人も多いでしょう。
「自分に落ち度があった=人に嫌われてしまう」
そんな観念が入っている場合、人に嫌われないために、自分の落ち度を認めないといった心理状態になることもあります。
(4)怒られることに恐怖がある
4つ目に、怒られることに恐怖がある人も、言い訳が多くなりやすいです。
「自分に落ち度があった=激しく怒られる」
このような観念を持っている場合も、人に怒られないために、自分の落ち度を認めないといった心理状態になることもあります。
(5)精神的に弱っている
5つ目に、精神的に弱っている人も、 言い訳が増えるでしょう。
「言い訳しない」とは、表現を変えると「自分の落ち度やミスをそのまま受け入れて責任を持つ」ともいえます。
そして、自分の落ち度を受け入れて責任を持つには、ある程度のエネルギーが必要です。
ですが、長い人生の中では「心のエネルギーが極端に落ちてしまう時期」もあるでしょう。
例えば、プライベートで大切な人との離別があった、介護などの気苦労があった、自分の手に生えないような出来事が起こってしまった…など。
このような状況下に置かれた時、人は誰でも無意識のうちに自分のエネルギーを確保することが最優先となります。
もし
この人、普段はあまり言い訳をしないのに、最近急に言い訳が増えたな。
このように感じる人がいたのであれば、もしかするとその人は、一時的に心のエネルギーが空っぽになっているのかもしれません。
言い訳ばかりする人の過去
前段では、言い訳ばかりする人の心理状態について5つご紹介しました。
それでは次に「言い訳ばかりする人」の過去に目を向けてみましょう。
私たちは相手のことが理解できないときにストレスを感じると習性があります。
「言い訳ばかりの人はどのような心理状態なのか?」に加え「言い訳をしやすい人はどのような経緯で作られるのか」を理解することで、さらにストレスが少なくなることでしょう。
(1)プライドを折る機会がなかった
1つ目に、プライドを折る機会がなかった人が多いです。
優秀な人に多いのですが、これまでの人生の中で、自分のプライドを折る機会がたまたまなかったケースです。
私たちは生まれてから幼稚園、小学校、中学校、高校~とたくさんの人と触れ合う中で、どこかのタイミングで
自分よりすごい人はたくさんいる。
私は世界一すごいと思ってたけど、凡人だったかも。
といった挫折を味わう人が多いです。
ですが、稀にたまたまそういった機会がなかった場合は、挫折を知りません。
このような人が例えば社会人になって初めて自分のミスを指摘されたとき、今まで培ってきた自己認識と、周りからの評価のギャップが受け入れられず、つい言い訳に走ってしまうこともあるでしょう。
(2)責任を持ってイヤな思いをした
2つ目に、責任を持ってイヤな思いをした人も一定数いるでしょう。
学級委員長は誰がいいと思いますか?
〇〇ちゃんがいいと思います!
私も〇〇さんがいいと思います!
例えばこのようなシチュエーションをイメージしてください。
自分が望んだわけではなく、たまたまもしくは周りから押し付けられて責任を持ったものの、その責任のせいで嫌な思いをした場合、本人の潜在意識には、無意識のトラウマとして刻み込まれてしまいます。
このような場合、無意識のうちに「責任を持つ=イヤなこと」と思い込んでしまうため、自分が責任を持たないための防御策として、言い訳を使うことがあります。
(3)いじめや育児放棄があった
3つ目に、いじめや育児放棄があった場合も、言い訳が多い人になりやすいです。
このような経験を持つ方々は
- 人に嫌われる
- 仲間に入れてもらえない
ことに対して、尋常ではない恐怖を感じます。
そのため(方法が適切かどうかは別として)人に嫌われたくない、嫌われてはならないといった衝動が強迫観念になっていて、人に嫌われないための言い訳が多くなる傾向があるようです。
(4)DVやモラハラ被害を受けてきた
4つ目に、DVやモラハラ被害を受けてきた人も、言い訳が多くなる傾向にあります。
このような経験を持つ方々は、無意識のうちに「世界が敵」のように感じています。
そのため、たとえ愛情ゆえだったとしても、無意識ではこのように変換されてしまいます。
- 誰かからの指摘やアドバイス→自分に対する攻撃
- 言い訳すること→攻撃を防ぐ防御
このような方々にとっては、指摘を受け入れる(言い訳をしない)事は自分への攻撃を許すことと同義のため、言い訳せずにいられないといった心理があります。
(5)精神的に搾取されて生きてきた
5つ目に、精神的に搾取されて生きてきた人も、 言い訳が多くなりがちです。
先ほど「言い訳ばかりする人の心理状態」の「(5)精神的に弱っている」の段落で“言い訳をせずに自分の非を認めるには、エネルギーが必要だ”とご紹介しました。
これまでの人生で、「他人から精神的に搾取されて生きてきた時期が長い人」は、そもそも常時、心のエネルギー不足になっています。
このような状態の人は常に、自分が生存できるギリギリのエネルギー量しか持っていないため、「自分の非を認める=生存に必要なエネルギーを下回ってしまう」といった状態になっています。
そのため、言い訳せずに自分の非を認める事は難しいでしょう。
立場別!言い訳ばかりする人との付き合い方
それではここから「立場別の“言い訳ばかりする人”の付き合い方」について考えてみましょう。
ここまでは言い訳ばかりする人を、今までとは違った角度から理解することをテーマに進めてきました。
ですが、相手を理解する=自分のストレスを我慢する、ではありません。
言い訳ばかりする人と、自分の関係性がどのようなものかを区分けしながら、あなたにとってストレスがない人間関係の築き方について考えていきましょう。
(1)上司:責任の境界線を引く
まず相手が上司の場合、なかなか真正面から
ちょっと上司!あなたはいつも言い訳ばかりじゃないですか!いい加減にミスを認めてくださいよ!
とはさすがに言いにくいでしょう。
この場合、上司があなたに何かしら言い訳をする理由を考えるなら「(1)できない自分を認めたくない」「(2)責任を持ちたくない」あたりの可能性が高そうです。
上司はそもそも「責任を持つことが仕事」です。
ですが、責任感が強い部下の場合、本来は上司が持つべき責任を(無意識で)自分が負ってしまうケースもあります。
この場合、上司に直接
あなたの責任はあなたが持ってください
とは伝えなくて大丈夫です。
上司と部下である以上、上司が持つべき業務上の責任には、自分は手を出さない
と心の中で決めるだけでも、幾分ストレスが和らぐと思います。
(2)部下:理由ではなく解決策を考えさせる
相手が部下の場合、上下関係があるため、つい強い口調で非難してしまいがちですが、パワハラ騒ぎになっても困りますよね。
言い訳ばかりの部下を持つと業務がスムーズに遂行できず、チーム全体として困ってしまいます。
その時はミスの理由ではなく、解決策を提示させてはいかがでしょうか?
どうしてこんなミスをしたの?
えーっとそれは僕のミスじゃなくて、$%&’()0$%&’()0=~`POIUY
このようなやりとりを続けていても不毛です。
○○を解決するための施策を考えてください。
このような指示だけを出すと、相手は「責められるかもしれない」といった恐怖で消耗することもなく、業務遂行しやすいかと思います。
(3)友人:言い訳をスルーして付き合う
相手が友人の場合、今後の付き合いも考えますよね。
言い訳の多さが気にならない位、人間的に魅力的な友人であれば問題ありませんが、友人の言い訳を聞くたびにイライラするようになってしまったら本末転倒です。
もし言い訳の多さは気になるけれども、友人としてお付き合い続けたい場合、友人が何か言い訳をしているときに、意図的に虚無になってみてはいかがでしょうか。
- 右から左へ聞き流す
- どこか遠くを見て、気持ちを飛ばしておく
- 心の耳を閉じて反応しない
このような対応を続けていれば、友人も
この人に言い訳をしても、何も聞いていないわ
と悟るのではないかと思います。
(4)恋人:信頼関係を築くことに注力する
相手が恋人の場合、心の距離もぐっと縮まりますから、あまりにも言い訳が多いとストレスが溜まってしまいますよね。
もしあなた自身にエネルギーの余裕があるようであれば、この記事で紹介したような「言い訳ばかりする人の深層心理」を理解して、彼、彼女とさらに心の距離を縮めてみてはいかがでしょうか?
付き合いの浅い職場の同僚や上司であれば、自分が受けるストレスを限りなく減らして、スルーすることが最優先になりそうですが、これから長く付き合っていきたい恋人であれば、あえて相手の心の中に踏み込んでみるのも一興です。
相手が今まで無意識に抱え込んできた深層心理のトラウマを癒すことができた場合、あなたは相手にとって唯一無二の存在になるかと思います。
(5)家族:境界線を引き直す
相手が家族の場合、最も心の距離が近く、かつ、お互いに甘えが出やすい関係性ですから、よりストレスも強くなりますよね。
私も長年、女性の人生コンサルティングを行ってきて、家族問題は1番やりがいがありますが、心の深い部分にテコ入れする必要があるデリケートな問題です。
もし今、家族との距離が近すぎて「言い訳ばかりする相手」にストレスを強く感じているならば、物理的に離れて境界線を引き直すこともオススメです。
言い訳は回避行動である
それでは最後にまとめです。
この記事では
- 言い訳ばかりする人の深層心理
- そのような人物になってしまう過去のトラウマ
- 立場別の対応
についてご紹介してきました。
言い訳ばかりの人と付き合っていると
どうしてこの人はこんなにも自分の非を認めないんだ?!
とイライラしてしまうことも多いでしょう。
ですが、その心を覗いてみると、何らかの心の痛みを回避するために言い訳しているケースが多いです。
このように考えてみると、多少は可愛らしくも思えてくるのではないでしょうか。
ぜひあなたと相手の関係性に合わせて
- あなたのストレスを最小限で止められるように
- もしくは相手の心の問題を癒して、唯一無二の存在になれるように
対応方法を考えてみてください。
この記事が何かのヒントになれば嬉しく思います。