気にしすぎる性格で疲れちゃって…
私の気にしすぎが理由で彼と喧嘩しちゃって…
色んなことを気にしすぎてストレスが…どうしたら治りますか?
こんなご相談を度々いただきます。
人生で様々なトラブルが起きた際「自分の気にしすぎる性格が問題なのではないか」そのような考えに至って、みなさんご相談にいらっしゃいます。
今回の記事は「自分の気にしすぎる性格が原因で人生がうまくいっていないのでは?」と困っている方に向けて書きました。
Contents
「気にしすぎる性格」と「精神障害」は分けて考えよう
まず最初に「気にしすぎる性格」と「精神障害」は分けて 考えましょう。
この記事を書いている私は、女性向けに人間関係やキャリアなどライフスタイル全般のご相談をお受けしているのですが、中には
この方は精神科や心療内科で投薬治療を受けた方が良いのでは?
と感じる方もいらっしゃいます。
もちろんこちらは医療的な判断スキルを持っていないので、明言する事は避けますが…
ご本人は「性格の問題だ」と思っているものが、実は精神障害や神経症といったことも少なくありません。
うつ病や適応障害、脅迫症やアスペルガー症候群。
自分ではコントロールが効かないような、強い精神的な揺らぎがある場合は、性格の問題ではなく、心の病を疑ってみることも大事です。
「気にしすぎる性格」の特徴
それでは「気にしすぎる性格の特徴」を7つご紹介します。
ご相談の現場でよく寄せられる「気にしすぎてしまう性格で困っている方々」に共通する特徴です。
1つ1つの特徴を見ると、むしろ才能とも言える要素ですが「何事も過ぎたるは及ばざるが如し」という諺もあるように、何事も過度になってしまうと毒になります。
あなたは当てはまるものはありますか?
(1)気が利きすぎる
1つ目の特徴として、気が利きすぎる人が多いです。
これから〇〇さんが来るから〇〇をやっておかなくちゃ
きっとこの後こういう展開になるから、これも準備しておかなくちゃ
もしかしたらAになるかもしれないし、Bになるかもしれない。
でもCになるかもしれないから「ABC」全部準備しておこう。
もしかしたら世界的な大企業の有能な秘書さんなどは、こんな感じなのかもしれませんが…
相手のこと、周囲のこと、考えられる未来の想定、それらに全てに対して気が利きすぎてしまった結果、キャパオーバーで疲れてしまう人も多いようです。
(2)優しすぎる
2つ目の特徴として、優しすぎる人が多いです。
私がこの発言をしたらあの人は傷つくだろうな
彼の望みは○○だから、私の気持ちは隠しておかなくちゃ
あの人は最近お疲れ気味だから、代わりに私が頑張ろう
このように優しすぎる人も、疲れ切って悩んでしまいます。
特に「優しさ」と「繊細な感性」を持ち合わせている人の場合
配慮が我慢になり、我慢が自己犠牲になり…
最終的に自分が潰れてしまうケースも多いように感じます。
(3)視野が広すぎる
3つ目の特徴として、視野が広すぎる人も多いです。
自分が今これをしたら、○○さんと、○○さんと、○○さんに影響が出るよね。
その場合、もしかしたら○○さんが動くかもしれないし、そうすると将来的に〇〇さんに迷惑かかるかもしれないから…えっと、つまり、今、自分はどう動けばいいの…?
まるでバスケットボールやサッカーで、広いコートの隅々まで意識が行き渡っているように、自分の状況、相手の状況、考えられる未来の状況が自然と認識できてしまう。
才能とも言えますが、処理できる情報量を超えて認識できてしまうため疲れやすいようです。
(4)争いごとが極度に苦手
4つ目の特徴として、争いごとが極度に苦手な人が多いです。
- 大きな声を聞くとビクっとしてしまう
- 残虐なシーンがある漫画は読めない
- 誰かが喧嘩しているシーンに遭遇すると、胃が痛くなってしまう
など、争い事や、争い事になりそうな空気感が極度に苦手な人もいます。
このような人の場合「自分の周囲で争いが発生しないこと」が1番の優先事項であるため、争い事を発生させないための予防策に、意識をフル稼働させています。
そのため、何もしていないのに疲れやすいことが多いでしょう。
(5)過剰すぎる自己責任感
5つ目の特徴として、過剰すぎる自己責任感を持つ人が多いです。
〇〇さんの機嫌が悪い…私の挨拶の仕方が悪かったかな。
今期の会社の業績が悪かった。私の営業努力が足りなかったからかも。
〇〇さんから嫌がらせを受けた…きっと私の振る舞いがおかしかったのだろう。
すべての責任を他人に擦りつける他責思考も問題ではありますが、自分はもちろん自分の周囲で起きたネガティブな現象も含めて、すべて自責で捉えすぎるのも問題です。
自責の範囲がどこまでも大きくなってしまうことで、自分で自分の心を傷つけるような状態になる人が多いでしょう。
(6)極度なコントロール欲求
6つ目の特徴として、極度なコントロール欲求を持つ人が多いです。
気にしすぎる性格と言うのは、いわゆる心配性ともいえます。
- 自分の子供が今どこで何をしているか、GPSで把握してないと安心できない
- 依頼した仕事の進捗は、逐一チェックしてないとソワソワする
- 頼み事をした時は、自分が指示した通りの順序で、指示した通りの内容で、指示した通りに仕上げてくれないと満足できない
など、全て自分のコントロール下で世界を完結させようとする人が多いです。
純粋な支配欲求とよりも「自分のコントロール下にないと安心できない」といったニュアンスが近いでしょう。
(7)完璧であることへの強い執着
7つ目の特徴として、完璧であることへの強い執着を持つ人が多いです。
自分に落ち度はなかったか?やるべき責任は全て果たしたのか?
1つのミスもないように、何度もチェックせねば…
完璧を目指す事はもちろん素晴らしいことですが、その裏には「誰かに不完全さを指摘されたときに、精神が大きく揺さぶられるのを避けたい」といった回避思考が含まれている方が多いです。
なぜ気にしすぎる性格になるのか?の理由
それでは次に「なぜ気にしすぎる性格になるのか」の理由を考えてみましょう。
もちろん人それぞれ生まれた時点で個性があり、生まれつき気が利きやすかったり視野が広かったり、感性が繊細な人もいるでしょう。
そういった個性が土台にあった上で、後天的に「気にしすぎる性格」になってしまう原因つまり「才能が毒になってしまう原因」について5つご紹介します。
(1)幼少期の愛情不足
1つ目の理由として、幼少期の愛情不足が挙げられるでしょう。
幼少期にどんな家庭環境で育ったかが、その後の人格形成に大きな影響を及ぼす、ということは広く知られていることかと思いますが、実際ご相談の現場でもそう感じます。
幼少期の相性不足は、大人になっても長く影響するのですね…
「養育者からの愛情を求めたけれども、その愛情が満たされる事はなかった」といった経験が記憶に深く刻まれた場合、精神的な意味で常に飢餓状態の方が多いです。
そのため精神的な愛情の飢餓状態を脱するため、様々な物事を気にし過ぎる性格になりやすいようです。
(2)ヤングケアラーとしての役割
2つ目の理由として、ヤングケアラーとしての役割が「気にし過ぎる性格」を生んでいることもあります。
本来ケアされるべき小さな子供が、親や他の家族をケアする側に回るヤングケアラーの存在が昨今、社会問題として認識されるようになりました。
時代の変化とともに、家族のあり方や形体が変わったことも理由の1つなのか…親が十分に子供を養育できない場合、親の役割を家族の中の子供が担うことがあります。
このような家庭環境で育った子供が成長した場合、よくも悪くも気にしすぎる性格になりやすいようです。
(3)生育環境の影響
3つ目の理由として、生育環境の影響も大きいと言えます。
「(1)幼少期の愛情不足」「(2)ヤングケアラーとしての役割」と重なる部分もありますが、 生育環境が理由で「気にしすぎる性格」になることも多いでしょう。
極端な愛情不足やヤングケアラーではなかったとしても
- 両親の関係性が破綻している
- 家の中が常にピリピリしている
- お姑さんとお嫁さんがいがみあっている
- 近所の治安が悪い
- 学校では素行不良者が多い
- 殺伐とした繁華街がすぐ近くにある。
人間の性格を構成するのは、家庭内の環境だけではなく、地域コミュニティーや学校の環境も影響します。
どのような環境で育ったのか?によって、成長後の性格にも大きく影響を及ぼすでしょう。
(4)過去のトラウマ
4つ目の理由として、過去のトラウマも多いです。
昔いじめられていた記憶が消えなくて…
小さい頃、親に暴力を振るわれていて…
実は学生の頃、性被害にあって…
ご相談現場では日々このようなご事情を伺います。
何かしらご本人の心に深く傷を残すような出来事があった場合、自分が成長したり、当時と環境が変わっても
またあのような恐怖が襲ってきたらどうしよう…
といった感覚が抜けず、気にしすぎる性格になってしまうこともあるようです。
(5)HSP(Highly Sensitive Person)
5つ目の理由として、これは性格というよりも気質に近いですがHSP(Highly Sensitive Person)であることも考えれられます。
(ハイリー・センシティブ・パーソン/Highly Sensitive Person)
※生まれつき「非常に感受性が強く敏感な気質もった人」という意味。
※HSPについてはこちらの記事もどうぞ
「気にしすぎる性格」で困った時の対応法
それでは「気にすぎる性格で困ったときの対応法」を5つご提案します。
ここまで述べたように、気にしすぎる性格であったとしても、ご本人が困っていなければ、むしろ自分の才能として捉えることができていれば何も問題ありません。
「気にしすぎる性格」は直さなければいけないものでもありませんし、性格を活かして、うまく人生を生きている人も多くいます。
ですが、もし
自分の気にしすぎる性格で、人生がうまくいかないのでは…
と悩んでいたり、トラブルが起こっているのであれば、これらの方法を試してみてはいかがでしょうか?
(1)大雑把な友人と付き合ってみる
1つ目のオススメは、大雑把な友人と付き合ってみることです。
人は人!私は私!
遅刻したって別に死なないし!
寝坊しちゃった。ごめんね!許して!
このような相手は、気にしすぎる性格のあなたにとってはかなり抵抗感のあるものでしょう。
ですが、自分が極端になっているのであれば、その真逆の人と付き合って中和してみるものアリだと思います。
自分と真逆の性質を持った友人は、最初に苦手に感じるかもしれません。
こんな奴になりたくない…
そう思うかもしれませんが、意外とお付き合いしてみると、お互いの極端な部分が中和されて良い関係を築けるかもしれませんよ。
(2)気にしなかった時のデメリットを考えてみる
2つ目のオススメは、気にしなかった時のデメリットを考えてみることです。
人、誰しも自分にとってメリットのある事は行いますし、デメリットのある事は行いません。
「気にしすぎてしまう」のであれば、きっとあなたの無意識では、何かの理由があって「気にし過ぎる」ことを選んでいます。
おそらく「気にしないことでのデメリットを避けたい」といった思惑があるはずです。
普段私たちは自分の考えていることを無意識レベルで処理してしまいますが、せっかくの機会です。
気にしなかったときのデメリットをあえて考えてみましょう。何か発見があるかもしれませんね。
(3)自分の“どの過去が疼くのか”考察してみる
3つ目に、“どの過去が疼くのか”考察してみることも良いでしょう。
前の段階で「過去のトラウマがあると、気にし過ぎる性格になりやすい」とご紹介しました。
「気にしすぎてしまっている時」は、言ってみれば「冷静ではない」状態です。
冷静さを取り戻すためにも「自分のどんな過去(トラウマ)が疼いて、気にし過ぎてしまうのだろうか?」と考えてみてはいかがでしょうか?
(4)メタ認知を取り入れてみる
4つ目に、メタ認知を取り入れてみることもオススメです。
メタ認知(Metacognition)とは、自分自身の思考を“自分の外側から眺めるような感覚で”認識することです。
「気にしすぎてしまっている状態」とは、メタ認知が働いていない状態とも表現できます。
ある特定の出来事に飲み込まれている状態ですね。
「なぜ、自分はこんなにも〇〇について気にしているのだろう?」と自分に問いかけることによって、解決のヒントが見えてくるかもしれません。
(5)気にしすぎる性格を「才能」と捉えてみる
最後に、特にオススメしたいのは、気にしすぎる性格を「才能」と捉えてみることです。
記事の冒頭でも「気にしすぎる性格の要素は才能でもある」とお伝えしましたが、過度になってしまっているだけで、あなたが生まれ持った気質や、育つ過程で得てきたスキルは、才能であること違いありません。
- どこまでも人に優しい才能
- 人の気持ちに共感する才能
- 争い事を避け、調和を保つ才能
- ケアを必要とする人に手を差し伸べる才能
- 完璧を目指し続けられる才能
これらをトラブルの理由とするのではなく、世界から愛され、認められる、唯一無二の個性として認識してみてはいかがでしょうか。
まとめ
それでは最後にまとめです。
この記事では「気にしすぎる性格に疲れたあなたへ、生きづらさを解消する方法」について解説してきました。
気にしすぎる性格の人は、外部からの刺激に振り回されがちで、なかなか自分の欲望のままに生きるのが難しいことでしょう。
ですが、あなたが今までの人生で得てきたものは“悩みの種”ではなく、あなたがあなたらしく生きていくための才能です。
「気にし過ぎる性格」から「気にすることができる性格」へ。
ぜひ心が暖かくなる捉え方をしてもらえたら嬉しいです。