私はもしかしたら、人より感受性が強いのかもしれない
そう思った事はありませんか?
感受性が強いと生きづらいとか
感受性が強いと疲れやすいとか
感受性が強い=デメリット・短所のように思われていることが多いですよね。
この記事を書いている私は相談業のキャリア10年ほどになりますが、10年前と比べて感受性が強い人は増えてきているなぁと感じます。
自身の感受性の強さを持て余してしまい、しんどい生活が続いたり、うつ病と診断される人も。
「治したい」と感じる人も多いようです。
ですが、多くの書籍でも『感受性の強さへの対応策』が書いてあるばかりで、マイナスを0に戻すに留まっているように感じます。
この記事では、感受性の強さをマイナスと捉えるのではなく、むしろメリット・長所として活かす方法をご紹介していきたいと思います。
Contents
感受性とは?
まず初めに感受性とはそもそも何なのでしょうか?
一言で表現すると、外部からの刺激(言語・非言語問わず)を五感で捉える精度の高さのことです。
感受性が強い場合、些細なことでも周囲や物事からの影響を受けやすく、それらにより自分の感覚が左右されやすいと言えます。
感受性は味覚と同じ
感受性はある意味、味覚と同じようなものと捉えるとわかりやすいです。
細やかな味の差に気付かなければいけないシェフと、ジャンクフードを好む人の味覚では、繊細さが異なります。
どちらが良いという話ではないのですが、細やかな味の差を判別するのはシェフの方が得意ですよね。
感受性も同じように「他者の感情や空気感をざっくり認識できる程度なのか」「細かなグラデーションまで認識できるのか」この度合いが繊細であればあるほど、感受性が強いと言って良いでしょう。
感受性が強すぎるHSP
感受性が強い人に関連して、HSP(エイチ・エス・ピー)についてもご紹介しましょう。
2018年に出版された本で「繊細さん」と表現されていたことから一躍有名になりました。
感受性が強い人のひと区分に、HSPが含まれるイメージです。
HSPとは?
HSPとは、周囲や環境の刺激を受けやすく、大まかにいうと「繊細な人」を意味する言葉です。(ハイリー・センシティブ・パーソンの頭文字をとってHSP)
性格特性のひとつであり、米国の心理学者であるエイレン・アーロン博士が世界に広めた概念です。
病気や障害、発達障害などではなく、あくまで気質を指す言葉です。
感受性が強い人の特徴
それでは、感受性が強い人の特徴を紹介したいと思います。
先ほど「感受性は味覚と似たようなものだ」と紹介しましたが、明確な基準値がないため「この人は感受性が強い、この人は感受性が弱い」などくっきり分ける事は難しいです。
あくまで目安として捉えていただけたらと思います。
1、他の人が感じられないことをキャッチしている
感受性が強い人は、他の人が感じ取れないような目に見えないものを感覚でキャッチしていることが多いです。
また、熟練の船乗りが風の向きや空気の感触で天候を予測したり、ベテラン医師が患者をぱっと見て病状に見当をつけるなど、気質というよりスキルに近いようなことも、ある意味では「感受性の強さ」の中に含まれるでしょう。
2、独特の世界観・センスを持っている
感受性が強い人は、大多数の人がキャッチできないものを認識しているため、独特の世界観やセンス感性を持ち合わせていることが多いです。
傍目からはわかりにくいですが、ふとしたアウトプット(文章や絵など)に、独特の個性が感じられるならば、感受性が強いと思われます。
3、気配り上手が多い
さらに感受性が強い人は気配り上手が多い印象です。
(何に対して感受性が強いのかにもよりますが)他人の気持ちに対しての感受性が強い場合、無意識で他者がどのように感じているかをキャッチしてしまいます。
その結果、相手が心地よく過ごせるように先回りしたり、相手が望む言葉をかけたりと気遣い上手になることも多いです。
4、ストレス耐性はあまり強くない
全員がそうではありませんが、感受性が強い人はストレス耐性はあまりない印象です。
言語・非言語問わず認識できてしまう情報量が多いため、常に情報の波が押し寄せているような状態です。
そのため自分の中に情報を溜めておくキャパがなくなりがち。
結果的に環境の変化や他人からのプレッシャー、居心地の悪さなどのストレスを受け入れる余白が残っていないことが多いです。
5、自己主張は控えめ
最後に他人の気持ちに対しての感受性が強い人に限定されますが、自己主張は控えめな方が多いです。
感受性が強いという事は「自分の発言や行動で相手がどのような気持ちになるか?」まで無意識に感じとってしまいます。
そのため自分から何かを発信したり、相手に影響を与えたりすることを控える傾向が多いです。
6、共感力が高く自分自身と他人の境界線が薄い
豊かすぎる感性を持っているため、他人の話に感情移入しすぎることも多いです。
また、強い感動を誘うような状況や、泣く場面が多い映画やドラマが苦手だったり、強い感情が込められた声に反応する人がいたり、感受性が強いと言ってもさまざまです。
いわゆる第6感や第7感に近いような感性を持つケースもありますね。
感受性が強い理由2つ
感受性が強い人は、どのような背景があって感受性が強くなるのでしょうか?
ここでは先天的な理由と後天的な理由を2つに分けて解説したいと思います。
先天的な理由
生まれつきの気質です。
生まれたばかりの赤ちゃんでも性格や体質も違うように、生まれ持った性質・気質が存在します。
生まれながらに味覚が敏感だったり、痛みに敏感だったり、これらと同じような意味で感受性がもともと高かったパターンが最も多いです。
後天的な理由
2つ目の理由は、後天的な理由です。
先の段落に例として出したように、熟練した船乗りが空気から天候を読んだり、ベテラン医師が患者の顔色から病の原因を特定したり。
多くの経験や知見を蓄えることで、それらの情報が繋がり、独特な感性として形成されることがあります。
後天的な理由の場合は、日常の全ジャンルに対して感受性が強いというよりも、特定のジャンルに関して感受性が強い場合が多いようです。
感受性を高める方法はあるのか?
どちらかというと「感受性が強すぎて疲れるのでどうにかしたい」というケースが多いですが、稀に逆もあります。
特に男性が恋愛で困ったときに
感受性が強い女性とうまく付き合いたいが、自分は察するのが苦手で…
といった悩みが背景にあるようです。
先の段落でお伝えしたように、感受性は先天的な要素が多いですが後天的に能力として身につけられる可能性は十分あります。(職業で必要な場合なども同様です)
相手が好きで、一緒に感動を共有したり理解したいと思う愛情ゆえの素敵な願いですよね。
感受性の強さを活かす職業は?
それでは、感受性の強さを生かす職業はあるのでしょうか?
一般的に「感受性が強い=働きにくい」とネガティブな印象を持たれがちですが、感受性の強さを存分に生かせる働き方も存在します。
1、カウンセラーやセラピストなど癒しの仕事
相手の気持ちや体調を、繊細にキャッチする必要があるものは感受性の強さを生かすことができます。
これらの職業では、クライアント・お客様が疲れていることが多いです。(心の疲れ、体の疲れ)
自分の心や身体の状態を、当人も正確に認識できていなかったりするので、言動や表情、雰囲気から相手の状態をキャッチできるとスムーズです。
2、動物や植物に関わる仕事
動物や植物に関わる仕事も、感受性が強い人の適職かと思います。
人を相手にするのとは違い、動物や植物は自分の意思や状態を相手に伝える手段をあまり持ちません。
感受性より観察眼の方がニュアンスが近いかもしれませんが、対象物がどのような状態であるかをキャッチして、それに合わせた対応が求められます。
3、コーチや教師など導く仕事
コーチや教師など人を導く仕事も良いでしょう。
1のカウンセラーやセラピストは主にクライアントをマイナスの状態から0にすることが仕事でした。
もちろんそれも大事ですが、0になった後10、100まで導くにも感受性の強さは武器になります。
自分のアプローチによって、相手にどのような変容が起きているのか?を敏感にキャッチし、適した対応をとっていくことが求められるポジションでは、感受性の強さは武器になるでしょう。
4、クリエイターやアーティスト
最後にクリエイターやアーティストなど、芸術的な職業も向いています。
日常生活の中から様々な刺激を自分の中に取り入れ、それを独特な世界観・センスで昇華し作品としてアウトプットする。
同じものを見ていても、大多数の人は気づかない視点が作品になっていたり「こんな表現方法があったのか」と独特な感性に驚く人もいるでしょう。
音楽・美術・文章など、自分の感性をふんだんに生かせるような職業も候補に入れて良いでしょう。
感受性が強い人に着目してほしい人間関係のコツ
ここまでで感受性が強い人の特徴や適職などをご紹介してきました。
それでは感受性の強さを生かすために、どのような人間関係を作ると快適に人生が送れるのか?をご紹介します。
1、感情コントロールができない人から離れる
1つ目に、感情コントロールができない人からはなるべく離れましょう。
感受性が強い人は、相手が抱えているネガティブのエネルギーを無意識で感じ取ってしまう場合が多いです。
そのため感情コントロールができず、自分の不機嫌さをまき散らしたり、怒りのエネルギーを漏れさせてしまう人と近くにいると疲弊してしまいます。
職場や友人にそのような人がいる場合は、なるべく離れられるように対応策を考えましょう。
2、1人きりになれる時間を確保する
2つ目に、1人きりになる時間を確保することも大事です。
特に1のように「他人から望まないネガティブエネルギーを受けてしまった場合」なかなか自分の中でそれらの感情を昇華することができずに、ストレスが溜まってしまいます。
そんな時、誰からの影響も受けない、誰の感情エネルギーも認識しなくて済む時間を取る事は大切です。
できる範囲で構いませんので、誰からも干渉されない時間を確保してください。
3、感受性が強い友人を持つ
3つ目に、感受性が強い友人を持つことを強くおすすめします。
もし周りにそのような友人がいなければ、感受性が強いカウンセラーやセラピスト、メンターなどと共に過ごす時間を持っても良いでしょう。
感受性が強い人はどうしても「誰にも分かってもらえない」と孤独になりがちです。
そんな時、自分と同じように感受性が強い人と話すことによって、1人ではない安心感を得ることができます。
また他人から望まないネガティブなエネルギーを受けてしまっても、同じく感受性の強い人と話題を共有するうちに、それらの感情をうまく昇華させることも可能です。
この記事を書いている私が主催する自己対話の学校(脳トレカレッジ)にも、感受性の強い人が集まっています。
そのため、ディスカッションしながらネガティブなエネルギーを昇華させるカリキュラムも取り入れており効果は抜群です。
感受性が強いことは才能である
人よりも、感受性が強いと一般社会に馴染みにくかったり、他の人と同じように仕事や生活ができず辛いと感じることも多いと思います。
そのため感受性の強さを対処する方法を求めている方も多いですが、うまく発揮できれば感受性の強さは天才性・才能になります。
他の人と同じようにできないと自己卑下するのではなく『他の人とは違うことができる』そう捉えてみてください。
この記事が、今までネガティブな印象を抱かれていた感受性の強さを、ポジティブなものに捉え直すきっかけになれば嬉しいです。