君は考えすぎる性格が問題だね、と言われる…
私はいつも考えすぎて石橋を叩いて割ってしまう…
もっと気楽に考えれたらいいのに…
あなたはこのように悩んでいませんか?
この記事では「考えすぎる性格」を短所ではなく長所、ひいては、才能にするための考え方をご紹介したいと思います。
ぜひ
「自分は考えすぎる性格かも…」
と思う人に読んでもらえたら嬉しいです。
Contents
考えすぎる性格は改善すべきなのか?
よく考えることは大事ですが「考えすぎる性格」というと、途端に直すべきもの、改善すべきものといった印象が強くなると思います。
「過ぎたるは猶及ばざるが如し(すぎたるはなおおよばざるがごとし)」
意味:度が過ぎることは、足りないことと同じくらい良くないということ。
このような諺もありますが、考えすぎることで、自分にとっても周りにとっても何らかのネガティブな影響があるならば、それは改善すべきものでしょう。
ですが、考えすぎる性格は本当に改善すべきデメリットしかないものなのでしょうか?
このメディアを運営している私たち自己対話の学校(脳トレカレッジ)は、10年余にわたって、様々なライフステージの女性の悩みを伺ってきました。
最も多いご相談は、人間関係について、特に家族や恋人など「心の距離が近い人同士」で関係がこじれてしまったご相談が多いです。
本来ならば、深い愛情で結ばれるはずの近しい人たちとの関係がこじれてしまうの原因の多くは、「相手の気持ちや背景まで考えが及んでいない」ことだと感じます。
このような現場での経験から、考えすぎる性格は特に人間関係においては、才能に転換させることができるのではないか?と個人的には感じています。
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現代人は誰でも思考過多で考えすぎである
この記事はきっと考えすぎる性格を直したい方がお読みかと思いますが、そもそも現代人は誰でも思考過多、つまり考えすぎです。
ここで1つ興味深いデータをご紹介します。
2005年にアメリカ国立科学財団から発表された研究結果によると、私たちは1日に 1,2万〜6万回もの思考をしているそうです。
(少し数字の幅が大きすぎてピンとは来ませんが…)
さらに思考の80%はネガティブなものであり、1日の思考のうち95%は前日と同じ内容の繰り返しであるとのこと。
つまり
1日の思考回数を仮に6万回とすると
→そのうち4,5万回はネガティブなものであり
→さらにその中でも4万回は前日と同じ思考を繰り返している
だけなのですね。
昨日と変わらないネガティブな思考を、毎日毎日4万回もしている…そう考えるとゾッとしませんか?
つまり現代人は、考えすぎてしまう性格うんぬんの前に、全員が思考過多です。
大事なのは「何を考えているか?」思考の中身を分解し、意識上に上げることではないでしょうか。
考えすぎる性格のデメリットとは
では考えすぎる性格のデメリットはどんなものでしょうか?
恋愛、結婚、仕事、家庭…ジャンルは様々ですが、考えすぎる性格を「才能にできなかった場合」このような ネガティブな影響があるかもしれません。
5つ紹介したいと思います。
(1)動き出しの時間がどんどん遅くなる
1つ目に、動き出しの時間がどんどん遅くなる可能性があります。
考える時間をじっくり設けるということは、つまり「考えてから動き出すまでのタイムラグが長くなる」とも言い換えられます。
期間の制限がないものなどは良いのですが、スピード感が求められるようなシチュエーションでは、動き出しの時間がどんどん遅くなることは大きなデメリットでしょう。
(2)ネガティブ思考になりやすい
2つ目に、ネガティブ思考になりやすいかもしれません。
「現代人は誰でも思考過多で考えすぎである」の段落でもご紹介しましたが、そもそも私たちの思考の80%はネガティブなものです。
つまり、考えれば考えるほど「ネガティブな思考の総量」が増えていくのですね。
意図的に考える内容をポジティブなものに切り替えたり、思考のコントロールを行わないと、どんどんネガティブな思考の深みにはまってしまうかもしれません。
(3)勢いを味方にすることが難しい
3つ目に、勢いを味方にすることが難しいでしょう。
ここで、 1つ面白いエピソードをご紹介します。
女優の樹木希林さんが、結婚に関するトークの中で、このような名言を残されていたようです。
「結婚なんてのはね、若いうちにしなきゃダメなの!」
「物事の分別がついたらあんなことできないんだから!」
この記事を書いている私自身は、樹木希林さんほどの年齢では無いのですが、確かに
結婚は勢いかもしれない
と考えることは少なくありません。(結婚6年目です)
結婚に限ったことではありませんが、勢いが必要な場面で考えすぎる性格の人は、もしかしたら機を逃してしまうかもしれませんね。
(4)孤独感とうつに苛まれやすい
4つ目に、孤独感とうつに苛まれやすい可能性があります。
「(2)ネガティブ思考になりやすい」とも関連しますが、 そもそも私たちは何も意識しなければ1日の80%をネガティブ思考が占めています。
- 自信がない…
- 人生が不安だ…
- 明日のプレゼン失敗したらどうしよう…
- ストレスを治す方法がわからない…
- 仕事でミスしちゃった、昇進に響くかな…
- もしかしたら私は病気なんじゃないか…
- 私みたいなタイプの人間は誰にも好きになってもらえないのでは…
- 今の彼と結婚して大丈夫かな?慎重に判断しないと…
このようなネガティブな言葉が頭の中を占領したまま過ごしていたら、心の病気にもなりかねません。
(5)周囲とのコミュニケーションに摩擦が起きやすい
5つ目に、周囲とのコミュニケーションに摩擦が起きやすいかもしれません。
深く考える性格と言っても、その実情は様々で、例えばHSP(英語:ハイリー・センシティブ・パーソン/Highly Sensitive Person)と診断される人は、他人の気持ちがわかりすぎるといった特徴があります。
周りの状況や人々の感情、意見などに共振しすぎてしまい「他人が自分に何を求めているか?」の答えがすぐわかってしまいます。
周りからの感情を受けることで疲れたとしても、相手の気持ちに沿って動いてしまうため、場合によっては周囲とのコミュニケーションに摩擦が起きやすいかもしれませんね。
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考えすぎる性格になりやすい理由は?
では、考えすぎる性格になりやすい理由は、どのようなものがあるのでしょうか?
ここでは「深く考えすぎる性格」の大元にある思い込みや、思考の癖を4つ紹介したいと思います。
(1)完璧主義
1つ目に、完璧主義も理由として挙げられます。
- 一つ一つの物事を納得して進めたい
- 自分が納得できない方向には進めたくない。
- 隅から隅まで自分で理解したい。
このような思考が強い完璧主義者の場合、考えすぎる性格になりやすいでしょう。
考えすぎるというより
自分が求める完璧な姿になるまで納得したい
といったニュアンスが近いかと思います。
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(2)心配性
2つ目に、心配性な気質ゆえかもしれません。
例えば、過去に何かしら大きな失敗をしたり、痛い目にあった場合、心配ゆえに「考えすぎる状態」になっていることもあるでしょう。
特に仕事で
自分の確認ミスで大きな損失を出してしまった
などの過去がある場合、トラウマから思考がフル回転するケースも多いでしょう。
(3)共感力が高い
3つ目に、共感力が高いことも理由として考えられます。
共感力が高いゆえに、相手の気持ちをあれこれ想像してしまって、考えすぎる状態になる人も多いでしょう。
例えば、相手をデートに誘うといった場面を1つ考えてみましょう。
- 〇〇さんはどんなご飯が好きかな?
- 初デートではご飯じゃなくてお茶のほうがいいかな?
- 〇〇さんはアレルギーなかったかな。
- 〇〇さん普段どんなもの食べてたっけ?
- 初デートの予算はどのくらいが適正?
- 雨が降ったときのことを考えると室内のほうがいいかな。
このように相手への気遣いであれこれ考えてしまい、煮詰まってしまう人も多いかもしれません。
(4)勇気が出ない言い訳
4つ目に、勇気が出ない言い訳として考えすぎる傾向にあるかもしれません。
「考えすぎる性格のデメリット(3)勢いを味方にすることが難しい」でも触れた通り、考えすぎる人の場合、勢いが必要なタイミングで機を逃してしまうこともあります。
「たくさん考えている=前に進んでいる」といった感覚だけは得ることができるため、実際には行動が必要な場面でも、思考していることで「やった感」を感じているだけのケースも少なくないです。
ですが、実情は「ネガティブな思考を繰り返しているだけ」なので、何も動いておらず、結果も出ないといったケースです。
この場合は本人が「勇気が出ない」ことを見ないようにするために、 あえて考えすぎる性格を続けているのかもしれませんね。
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考えすぎる性格を才能にするには
それでは、ここから考えすぎる性格を才能にするための考え方を10個ご紹介します。
考えすぎる性格は一般的にネガティブな印象が強いですが、実は上手に使えば才能になるものです。
ぜひうまく転換してみてくださいね。
(1)行動する前提で考える
1つ目に、行動する前提で考えることがおすすめです。
考えすぎる性格の1番のデメリットは、思考にエネルギーを使いすぎて行動まで至らない、もしくは行動前に燃え尽きてしまうことです。
つまり裏を返せば「行動する前提で思考すればいい」ということです。
行動する事は先に決めておく。その上で
- どのように行動するのか?
- いつまでに行動するのか?
- リスクは何なのか?
これらを分析する。
このような観点から考えると、考えすぎる性格はデメリットではなく、深く考えられる戦略家としての才能に生まれ変わります。
(2)タイムリミットを決める
2つ目に、タイムリミットを決めることも効果的でしょう。
私自身も経験がありますが、思考には 終わりがなく、考えようと思えばいつまででも考え続けることができます。
だからこそ「いつ思考を止めるのか?」を先に決めておく事はとても大事です。
特に期限があるようなシチュエーションの場合、好きなだけ思考にふけっているうちにタイムスケジュールが大幅に狂っていた、という事態にもなりかねません。
つい深みにはまってしまう思考だからこそ
ここまでには辞める!
とタイムリミットを決めておきましょう。
(3)仮説検証の視点を取り入れる
3つ目に、仮説検証の視点を取り入れることがおすすめです。
「思考すること」それ自体、とても楽しく奥深いものです。
そのため、もともと自分の考えを深めるのが好きな人ほど、延々とゴールも終わりもなく、思考し続けてしまうという罠にはまりやすいです。
ただ延々と思考するのではなく、仮説検証の視点を取り入れると、「ただの考えすぎな性格」を「熱心な研究家」に 変身させることができるでしょう。
(4)机上の空論を避ける
4つ目に、机上の空論を避けることも大切です。
考えすぎる性格の場合、石橋を叩いて叩いて叩いて渡ろうとする、もしくは壊してしまうため、えてして机上の空論を語りがちです。
例えば婚活を例に取ってみましょう。
考えすぎる性格の人が、何も意識せずに考え出すと、こうなりがちです。
- もし婚活をするとしたら、何歳までに始めたら…?
- 婚活で変な人に会ってしまったらどう対応すればいい…?
- 私が好きじゃないのにプロポーズされたら…?
- 結婚指輪の相場ってどのくらい…?
- もし相手のご両親と同居してと言われたら…?
このように「まだ始まってもいないこと」に対して思考が先走りすぎてしまい、思考疲れしてしまう傾向があります。
ある程度の見通しを立てたら
後はやってみないとわからない!
現場に出てから考えよう!
ここまでは考えよう、ここからはやってからさらに考えよう!
この切り替えができるようになると、緻密な見通しを立てられる才能として開花するでしょう。
(5)一人で考え込まず誰かとディスカッションする
5つ目に、一人で考え込まず誰かとディスカッションすることも効果的でしょう。
そもそも「人間の思考は80%がネガティブである」といった研究結果にもある通り、1人で何も思考コントロールをせずただただ考えていると、袋小路にはまりがち。
そのため、自分以外の他者と対話やディスカッションをしながら考えを深めていくことは、とても効果的でしょう。
- 自分自身で考えを深め、それを他者に伝える。
- 他者からの刺激を受けて、またを自分の思考を深める。
この循環を止めずに思考を深め続けることで、自分1人の煮詰まった考えではなく よりオープンで有意義な時間を得られるでしょう。
(6)思考の記録を残す
6つ目に、思考の記録を残すことにも取り組んでみてください。
人がどんどん考えを深め、展開させていく過程は、料理で言うレシピ、手順書みたいなものです。
私たちは普段、意見や情報という形で、様々な人の「思考の完成物」に触れますが、それらはあくまで相手がたくさん思考した中の結論部分でしかありません。
どのような思考経路をたどって、その結論に至ったのか?までは、あまり公開されてないことが多いのですね。
それらを公開してあげることは、他の人にとって
思考を深めるマニュアルを公開してもらった
とも言えるため、宝物として扱われるでしょう。
(7)自分の状態を周りに宣言する
7つ目に、自分の状態を周りに宣言することもおすすめです。
私は今〇〇についてしばらく考えます
など自分の状態を周りの人に宣言、シェアしておくことも有効でしょう。
考えすぎる性格の人はえてして、自分1人の世界にこもりがち。
ですが、チームで進める仕事など、周りとの協力が必要なものに関して思考を深める時は、自分の状態を チームメンバーも把握できるようにしておくと、自分も周囲も安心でしょう。
(8)意図的に思考停止させる
8つ目に、意図的に思考停止させることも効果的です。
考えすぎる性格といっても、適切なタイミングで自分で思考を一旦ストップさせることができれば、それは「深く考えることができる」という才能になります。
考え始めたら止まらない、自分でコントロールすることができない、ではなく「意図的に思考停止させるスキル」を身に付けておくとさらに良いかもしれませんね。
(9)感性を刺激する機会を取り入れる
9つ目に、感性を刺激する機会を取り入れるのもおすすめです。
思考の対極にあるのは感性です。
考えてすぎる性格の人が「思考に偏りがち」なのであれば、反対側の感性を刺激する機会や時間を取り入れてみましょう。
五感が刺激されるようなもの…例えばアロマオイルを炊いてみたり、思いっきり体を動かしてみたり、芸術に触れてみたり。
そういった「強制的に思考がストップして感性が刺激されるような時間」をとってみてください。
きっと思考と感性の相乗効果に驚くと思います。
(10)理解者との関係を大事にする
最後に、理解者との関係を大事にすることを心がけましょう。
「考えすぎる性格の人」は「考える才能に溢れた人」とも言うことができますが、思考は他者から見ることができません。
そのため、自分の思考の世界に籠りすぎてしまうと、他者との心の乖離が大きくなってしまうでしょう。
「深まって熟成された思考」は宝物ではありますが、思考を深めて熟成させるほど
私のことを誰もわかってくれない
と卑屈になってしまっては本末転倒です。
あなたの「考えすぎる性格」を、才能として世界に広げるためにも「あなたのことを理解し、世界との架け橋になってくれる人」とのご縁を大事にしてください。
考えすぎる才能を「世界の財産」にしよう
それでは最後にまとめです。
「考えすぎる性格」は、うまく扱うことができれば唯一無二の才能になります。
そして、あなたがもし「考えすぎる性格」の持ち主ならば、その才能を独り占めするのではなく、ぜひ世界の共有財産として周囲にシェアしてあげてください。
ただただ、自分の思考の世界にこもるのではなく、自分の熟成された思考が日の目を見られるよう、周りに分け与えてみてください。
きっとその時「考えすぎる性格」は、ネガティブな意味合いを持つものではなく「世界が大切にすべき財産」として捉えられることになると思います。