恋愛中に「自分の気持ちがわからない」と感じること、ありますよね。
私は彼のことが好きなのだろうか?
結婚したいのだろうか?それとも結婚したくないのだろうか?
相手の気持ちがわからなくて悩むことも多いですが、それと同じくらい「自分で自分の気持ちがわからない」と悩むことも多いものです。
このコラムを書いている私は、女性の人間関係に関する相談を10年ほど聞き続けてきました。
中にはもちろん「自分の気持ちがわからない」といったご相談もあり、今回のコラムが似たような方にとってのヒントになれば嬉しく思います。
Contents
なぜ恋愛で「自分の気持ちがわからない」と感じるのか
それでは最初に、なぜ恋愛中に自分の気持ちがわからないと感じるのでしょうか。
もちろん個々のケースでそれぞれ異なりますが、共通する理由として現代人は「自分の感情に対するセンサーが鈍くなっている」ことが考えられます。
- 疑問があれば、ググればすぐに答えが出る
- コスパ(コストパフォーマンス)よりもタイパ(タイムパフォーマンス)
- 動画コンテンツは早送り
自分の心、感情にゆっくり目を向ける機会や時間が減った結果、自分の感情との距離が開いてしまい、結果的に恋愛中でも「自分の気持ちがわからない…」となりがちです。
自分の気持ちがわからない例(片思い)
それでは実際のご相談現場でいただく「具体的なお悩みの事例」をご紹介します。
まずは片思いの状況で「自分の気持ちが分かりません」とおっしゃる方のサンプルです。
(1)「なんか気になる…」これは恋?
職場の彼のことが…よく行くお店の店員さんが…ジムのトレーナーさんが…
なんか気になるんです。これは恋でしょうか?
自分の気持ちがよくわからない時「自分の気持ちを他人に聞く」方もいらっしゃいます。
- 目で追ってしまう
- ふとした時に思い浮かぶ
- もっと話したいなと思う
↑
このような自分の変化があったときに、恋愛感情と認識して良いのかどうか?
自分で判断がつかないといったケースです。
ちなみにこういったご相談をいただいたときには、その感情が恋愛かどうかをすぐに判断することはありません。
現代人は特に疑問に対してすぐ答えが出ることに慣れてしまっているため、「この気持ちが恋なのか?」の答えをすぐに欲しがる傾向があります。
ですが、心はタイムパフォーマンスには優れていないので、少々時間をかけるつもりで、向き合ったほうが結果的に早く判明することが多いです。
(2)蛙化現象(かえるかげんしょう)
好きな彼がいてデートしたんですけど、蛙化しちゃってダメでした…
こんなケースもあります。
蛙化現象(かえるかげんしょう)は、昨年主にZ世代の間で広がった言葉で、好きな相手を突然嫌いになるときに使われます。蛙化現象は、元々心理学用語の一つです。
「少しのきっかけで好きな相手に対して冷めてしまう」という意味として使われています。
(3)好きな相手は芸能人。これは恋?
私が好きな相手は芸能人(俳優、バンドマン、劇団員、YouTuber)です。
でも私とは別世界の人ですし、お付き合いできるのかどうか…そもそもこれが恋愛感情なのかどうか分かりません。
といったケースもあります。
現代は芸能人と一般人の境目があまりなくなってきましたよね。
芸能人や準ずる職業の方に惹かれる女性も増え
- 純粋なファンとしての気持ちなのか
- それともリアルな恋心なのか
- 彼の幻想に恋しているだけなのか
自分でも判断がつかなくて困っている方が増えてきた印象です。
自分の気持ちがわからない例(交際中)
交際中にも、自分の気持ちがわからなくて…とご相談いただくことがあります。
ここでは5つの事例をご紹介します。
(1)本音を相手に曝け出せない
交際中の彼に、自分の本音を出せない。
彼ともっと深い関係になりたいのか、適度な距離を持って付き合いたいのか、自分の気持ちがわからない。
このようなご相談もいただきます。
自分の気持ちがわからない事はもちろんですが
「自分がどのような付き合い方、交際スタイルが心地良いのかわからない」
といったニュアンスも含まれていることが多いです。
(2)会わなくても平気
彼にあまり会いたいと思わないんです。
でも彼は毎日私に会いたいそうで…これは彼のことが好きじゃないってことでしょうか?
このようなご相談もいただきます。
相手は私のことを好きだと言っており、会いたがっている。
私は彼のことが好きなはずだけど、毎日会いたいとは思わない。つまり好きではないのだろうか?
自分と相手の気持ちの差に困惑し、混乱してしまう状況ですね。
(3)愛情か依存かわからない
私は彼のことが好きなので毎日会いたいし、何をしているのかも全部把握していたいです。
でもそれを友達に言ったら「それは依存だよ」と言われました。
自分では恋愛感情だと思っていた件について他人に話したとき、反対意見をもらって「自分の気持ちがわからない…」と困惑してしまうケースもあります。
(4)結婚の話をされると避けたくなる
私は彼とずっと一緒にいたいと思っていますが、結婚の話をされた時に返事を濁してしまいました。
私は結婚を望んでいないのでしょうか?彼のことを好きではないのでしょうか?
このようなケースもあります。
マリッジブルーなんて言葉もありますが、結婚は人生の大きな節目のため、気持ちがついて行かずに悩んでしまう方も多いようです。
(5)イライラすることが多く喧嘩ばかり
お付き合い当初はラブラブだったのに、最近はいつも喧嘩ばかりです。
もうお互い好きではないのでしょうか?
交際が深まって気心知れた仲になってきた時、喧嘩が増えて自分の気持ちを疑う方も多いです。
自分の気持ちがわからない例(その他)
ここまで片思い中、もしくは交際中の「自分の気持ちがわからない」といったご相談について紹介してきました。
最後にその他のパターンを3つをご紹介します。
(1)復縁したいのか、執着なのかわからない
私たちが主宰する自己対話の学校では、人間関係に悩む方が多くお越しになるのですが、中でも復縁のご相談は多いです。
- お付き合いしていた相手に振られてしまった。でも私はまたお付き合いしたい。
- 昔お付き合いしていた人が忘れられない。再会してお付き合いしたい。
このような状況で、自分の気持ちが純粋な恋愛感情なのか、それともただの情なのか、もしくは執着や依存なのか、判断できずに困っている人も多いです。
(2)好きな人が複数いる
「好きかもしれない人、気になる人が複数いて、どう関係を進めたらいいかわからない」といったご相談もいただきます。
- Aさんは〇〇なところが素敵
- Bさんは〇〇なところに惹かれる
- Cさんは〇〇の時に助けてくれた
他人の素敵なところを見つけられる心の感性を持っているのは素晴らしいことです。
ただ、その結果「どの人も素敵!」と感じて、自分の気持ちがわからなくなることもあるようです。
(3)触れられると気持ち悪い
このパターンは、婚活や結婚相談所で活動している方に多いのです。
マッチングアプリや結婚相談所のシステムでは
- 年齢
- 収入
- 家族構成
- 身長
- 職業
などある程度、相手を条件で選ぶところから始まります。
条件的には申し分なくお話をしても楽しい。
さて、この人ともっと深い仲になろう。
そう関係を進めようと、手を繋いだ瞬間に気持ちが冷めてしまった。
といったご相談を伺うこともあります。
恋愛で「自分の気持ちがわからない」と悩む人の特徴
恋愛中に「自分の気持ちがわからない」と悩んでしまっては、せっかくの楽しみが半減してしまいますよね。
ここでは自分の気持ちが見えなくなりやすい人の特徴を3つご紹介します。
(1)過去のトラウマが大きい
まず1つ目に、過去のトラウマが大きい人は、自分の気持ちがわからなくなりやすいでしょう。
〇〇ちゃん、男の趣味が悪いね
あなたの彼氏ってダサいね
いつも恋愛で失敗してるよね
例えばこのように、過去自分の恋愛や「好き」という気持ちをバカにされた経験がある人の場合、「恋愛感情=恥ずかしいものである」と無意識で思い込んでいることも多いです。
そのため「自分の気持ちがわからない状態」を無意識で望んでいるケースもあります。
(2)打算的で計算高い
2つ目に、打算的で計算高い人も、自分の気持ちがわからなくなりやすいでしょう。
結婚するなら絶対に公務員!全国転勤なし!年収1,000万円!次男!同居なし!
特に結婚を前提とする婚活では、このように条件を重視して相手を探すことも多いでしょう。
自分が望むライフスタイルをもとに、条件を重視する事はもちろん大事ではあります。
ただ、あまりに条件のみを重視してしまうと、選んだ相手に心がときめかないといった別の悩みも抱えやすいでしょう。
(3)感情を抑圧する癖がある
3つ目に、感情を抑圧する癖がある人も、恋愛に限らず自分の気持ちがわからなくなりやすいでしょう。
- 育った家庭環境
- 親の教育方針
- 過去の経験
- 本人の性格
- 競争が激しい環境
このような要因から、感情を抑圧する癖がついている人も、恋愛中に「自分の気持ちがわからない」といった悩みを抱えやすいです。
自分の気持ちがわからないときの対処法
それでは、自分の気持ちがわからないときの対処法について考えてみましょう。
ここでは5つご紹介します。
(1)人生のペースを落としてみる
1つ目に、人生のペースを落としてみることもオススメです。
多くのご相談を受けて感じるのは「自分の気持ちがわからない」と困りやすい人は生き急いでいることが多いです。
- 早く次のステージに行かなくちゃ
- 早く結婚して子供を生まなくちゃ
- 結婚式で親を安心させてあげなくちゃ
「次は〇〇しなくちゃ」といったトークを無意識で多く抱えている場合、同時に「自分の気持ち、感情を気にしている時間はない」と自分で自分に制限をかけがちです。
もし大きな問題がないのであれば、人生の進行ペースを少々ゆっくりにしても良いのではないでしょうか。
(2)感情豊かな人と過ごしてみる
2つ目に、感情豊かな人と過ごしてみることも効果的です。
あまりにも感情を抑圧してきた期間が長くなると「そもそも感情の感じ方がわからない」といった段階まで進んでしまいます。
このような場合は、感情豊かな人と時間を過ごしてみることで、現状打破するきっかけが得られるかもしれません。
仲の良い友人で、いつも感情豊かだなと思う人はいますか?
もしいなければ小さな子供たちと触れ合ってみるのもオススメです。
(3)聞き上手な人に話を聞いてもらう
3つ目に、聞き上手な人に話を聞いてもらうこともオススメです。
ポイントは「聞き上手な人」が条件であることです。
友人同士で集まると、ついトーク上手な人が話の主導権を握りがちですが、目的は「あなたの感情を取り戻すこと」です。
うんうん、それでそれで?!
いいじゃーん!それで次はどうなったの?!
すごいね!あなたはどう思った?
など上手な合いの手を入れてくれる知人がいれば、ぜひ話を聞いてもらってください。
誰かと話題を共有する過程で、自分の感情が蘇ってくることも多いです。
(4)恋愛について考えるのを休んでみる
4つ目に、恋愛について考えるのを休んでみても良いでしょう。
このコラムの冒頭で
「疑問について、すぐに答えが出ないと気が済まない精神状態になっている人が増えている」と述べました。
- この恋愛をどう進めるべきか?
- 自分の気持ちは今どうなのか?
- 付き合うのか、付き合わないのか?
- 結婚するのか、しないのか?
- 私にとって彼はどんな存在なのか?
時間をかけて考えた方が良い疑問についても、短時間で答えを出そうとする傾向があります。
そんな時は恋愛について考えるのを放棄してしまっても良いかもしれません。
時間が解決してくれることも意外と多いものです。
(5)ひとりで内観してみる
5つ目に、ひとりで内観にも取り組んでみましょう。
前の段落で「恋愛について考えるのを休んでみても効果的だ」と説明しましたが、もし考えることを休めない場合は、いっそ集中的に内観してみましょう。
内観のポイントは頭で考えすぎないことです。
自分の心、感情をキャッチすることを大事にしてみてください。
なるべく五感が刺激されるような環境で内観すると、さらに効果を感じられると思います。
心の感度、感情センサーを取り戻そう
それでは最後にまとめです。
自分の気持ちがわからない…今のまま恋愛をしてていいの?
このような悩みを抱える方は、もれなく心の感度、感情センサーが鈍っています。
私が主宰している自己対話の学校では、自己対話を通して心の感度、感情センサーを取り戻すトレーニングを行っておりますが、理性的で合理的な人ほど、心の感度が鈍っているケースが多いです。
もちろん理性的で合理的に判断することが大事ですし、特に仕事においてはそのようなスキルが求められることも多いでしょう。
ですが、感情のやり取りがメインの恋愛というシチュエーションの場合、時に不合理で、時に理性を無視した方が心の満足度が高くなることもあります。
温かくて柔らかい、人間同士の感情のやりとりを行うためにも、まずは自分の感情をキャッチする心の感度を高めていましょう。
このコラムが、あなたの心の感度、感情センサーを取り戻す、何かのヒントになっていれば嬉しく思います。